仕事納めでした。
といっても週2回だけの仕事ですから、そんな大げさなものではないのですが、今年の4月から始めた仕事なので、多少感慨深いものがあります。
しかし、そんな仕事納めの日に、こんなことを言われました。
「ニシオカさん、いつまでここで働くのですか?」
相手は親子ほど歳の離れた若者で、しかも業界ではだいぶ後輩です。
それだけを考えると、「無礼」というセリフが頭に浮かぶのですが・・・
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今の現場で働き始めたのは、昔世話になった方から人手不足を解消するために誘われたことがきっかけです。ただ、その自分を誘ってくれた人が現場を去ることになり、誰も知り合いがいない現場での仕事となりました。
長年やってきたスイミングスクールのコーチという仕事なので、働いている間は自分の腕を信じてやれば、お客さんは喜んでくれると(自惚れない程度に)思っています。
しかし長年やってきたからこそ、同じコーチの仕事でも、現場が変わればやり方も変わることは知っていて、それを誰かに聞くのが一番手っ取り早いということもわかっています。
ただ、周りの平均年齢が、自分に子どもがいればそれくらいであり、誰が社員で誰がアルバイトなのか?、あと自分と同じように個人業務委託の人もいれば、会社が委託契約していたりと、かなり複雑です。
そんな中、いつも現場にいる若い男性がいて、「これだけ毎日働いているということは、社員なのだろう」と勝手に思い込んで、いろいろ聞くようになりました。
誰が現場の主導権を握っているのか?
これがダメなら、あれもダメなのか?
なぜこういうやり方をしているのか?
しかし、いろいろ聞くうちにわかったのは、社員と思っていたその若い男性は実はアルバイトで、しかもコーチの経験は長くなく、前は全く関係のない仕事をされていた、ということでした。
それでも自分からすれば現場の先輩であり、その人がいれば、何か困ったことが起きても大丈夫、みたいな安心感を得られる存在となりました。
そしていつからか、現場に着いて着替える前、更衣室の靴箱に、その人の靴があることを確認して、安心するのが当たり前になりました。
それからお互いお酒を飲むことがわかり、立ち飲み屋で4時間ほどしゃべりまくったり、終電ギリギリまで飲んだりして、仕事のことも男女の違いもたくさん話しました。
しかし、年末が近づくある日、この靴の持ち主である若い男性が、会社の入社試験を受けて合格して、来年から本社で勤務することが決まりました。
長年スイミングスクールを運営する会社に所属し、その会社を辞めた身として、このブログにも26年やってきた自分が水泳コーチの仕事をオススメしない理由なんて記事を書いていますから、今でもスイミングスクールを運営する会社に就職することは、あまりオススメしていません。
ですが、若い男性には彼女がいて、これからの2人未来を考えると、ひたすら稼ぐ必要があり、その一番手っ取り早い方法が、今いる会社の社員になることと決めたことなら、誰にも止める理由はありません。
素直に合格を祝福し、社会人としての活躍を期待することを伝えました。
ただ、本社勤務ということで、現場を離れます。
そしてそれは遠いところで、簡単に遊びに行ける距離ではありません。
つまり、この靴はもう見ることができなくなるわけです。
最初に書いた「ニシオカさん、いつまでここで働くのですか?」と、仕事納めの日に聞いてきたのは、この若い男性です。
言葉とシチュエーションだけ考えれば「無礼」なのですが、いつか現場に戻ってきて、また一緒に働ける日が来るのか?という意味を含んでいるとすれば、「無礼」ではなく「感謝」です。
ただ、他の方への挨拶などがあって、この質問への返答をきちんとせずに現場を出ました。
そのことに気がついて、現場に戻ろうかとも考えたのですが、そうやってちゃんと別れの挨拶をするのが照れくさいのと、そうしてしまえば、それが最後の別れになるような気がして、やっぱり戻らずに帰宅しました。
ただ、いろいろあってこのブログの存在はバレており、若い男性はブログの読者でもあります。
なので、きっと読んでくれるだろうと信じ、その答えを書いておきます。
「アナタが偉くなって、責任者として帰ってくるまで」
というわけで、しばしお別れです。
ただ、こちらもおっさんなので、なるべく早くでお願いしますね。
あ、あと、靴を勝手に載せてごめんなさい・・・
でわ、股!!
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