46歳で退職してブロガーになってみた

働けおっさんブロガー

26年勤めた仕事を無計画に辞めたおっさんの生き様を綴る

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ニシオカの恩返しのハナシ

昔々あるところに、ニシオカという青年がいました。

ニシオカはスイミングスクールでコーチの仕事のアルバイトをしていて、ほぼ毎日のようにプールに通っていました。

そんなニシオカが恋をしました。

相手は同い年のアルバイトの女性です。

ただし、ニシオカは自分に自信がなくてモテないと決めつけていたので、誰にも言わない、密かな恋でした。

ところがある日、その女性に彼氏がいることがわかりました。

相手は同い年のアルバイト仲間の男性で、ニシオカとは2人で飲みに行くほどの仲良しでした。

そして、「自分が好きだった人を…」という感情と「なんで言ってくれないだよ…」という感情が入り混じり、それをコントロールできなかったニシオカは、荒れたというか、不貞腐れました。

さすがに仕事は仕事でこなしましたが、それまでだったら仕事が終わってもスタッフルームで駄弁っていたのを、わざと不貞腐れた顔をして速攻で帰りました。

そんなある日、その状況を見た社員の方が声をかけてきました。

相手は兄貴的な存在で、ここではラクダとしておきます。

ラクダは車を持っておらず、車で通勤する自分に「家まで送ってほしい」と頼まれました。

さすがに社員の頼みは断れず、ラクダの家まで2人きりの空間が生まれたのですが、案の定、「どうした?」「何があった?」と質問攻めされました。

が、「別に」と返していました。

で、家に着いて「ちょっと晩ゴハンを食べていかないか?」と半ば強引に家に連れ込まれ、奥さんが作るカレーをご馳走になりましたが、ここまで来ると逆に失恋したことで不貞腐れていたことを言い出せなくて、普通に食べて普通に帰りました。

結局、数日後ラクダに事実を打ち明けて、その後も普通に仕事していました。

あれから30年程が経過し、会社をやめたことでラクダと連絡を取ることはなくなりましたが、あの時のことを忘れませんし、感謝しています。

しかし、それを直接ラクダ本人に伝えるのもなんだか・・・

そんな時、現在仕事をさせてもらっている現場から、「若手スタッフ相手に講義をして欲しい」と依頼がありました。

これまで30年やって来た仕事のノウハウを、たった1時間で伝えることは難しいですし、それ以前に30年やって来たプライドが、「簡単に教えられるか!」とも思わせます。

ただ、あのとき、ラクダは自分みたいなクソ馬鹿野郎に自身の時間を割いて寄り添ってくれて、奥さんに何の連絡もせず家に連れ帰って晩ゴハンを食べさせてくれました。

本来であれば、直接ラクダ本人に恩返しをするべきかもしれませんが、いま自分がおっさんになって若手に対して時間を割いて講義をすることで、あのときのラクダと同じようなことが出来れば、形を変えた恩返しにならないかな?

ということで、若手スタッフ相手に講義をしました。

予定は1時間のところを2時間弱、事前に話す練習もして、ホワイトボード用の極太マーカーも自前で用意して、必死のパッチでしゃべり続けて、スイミングスクールのコーチの仕事の大事なことを伝えました。

それでどれだけ伝わったかはわかりませんが、少なくとも講義を受けた若手スタッフの顔はやる気に満ちている感じでしたので、まぁまぁ成功だったのではないか?と思っています。

 

これぞ『ニシオカの恩返し』ということで、めでたしめでたし。

 

でわ、股!!