会社勤めをしているときに、研修や昇格といったレポートを提出していました。
自分が会社を辞めてから2年程が経過していますので、もしかしたら今は変わっているかもしれませんが、その当時、そのレポートはいわゆる作文用紙に手書きというスタイルでした。
しかもその作文用紙は指定されていて、それが「コクヨ ケ-20」という商品でした。
レポートの提出期限が近づいてから「やべぇ!」と書こうとしたら作文用紙が残っていないことに気がついて、慌てて「コクヨ ケ-20」を買いに文房具屋さんに走ったのは、今では懐かしい思い出です。
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きっと最近の若い人にとっては、いろいろとツッコミ所のある「作文用紙に手書きレポート」ですが、これはこれでちゃんとした理由がありました。
勤めていたのはスイミングスクールを運営する会社で、社員のほとんどは水泳のコーチです。そしてその社員は1日に何時間もプールに入るので、ある種肉体労働ともいえる仕事でした。
会社の偉い人はその「肉体労働」の部分を何とかしたいと考えて、社員教育に力を入れました。といっても水泳指導技術を向上することでなく、社会人としての一般常識などを学ぶことを社員に課し、その一環として“ちゃんとした文字が書ける”というのが「作文用紙に手書きレポート」となったわけです。
もちろん面倒です。頭の中で内容をまとめて一気に書ければいいのですが、それができなくて下書きしてから清書するという形を取った場合、単純に2倍時間がかかります。
さらにパソコンなら誤字脱字は読み返せば直せますが、手書きですから間違えたら修正液(テープ)を使うので、会社にバレて印象が悪くなります。そういえば最初の頃は修正液の仕様も許されず、間違えたら一から書き直しというルールでした。
ですが、これはこれで会社の意図を理解していますので、ブツクサ言いながらもちゃんとレポートを書いていました。もちろん本音をストレートに書けばこっぴどく怒られるのは明白なので、会社の偉い人が喜びそうな建前を適当に並べて紙面を埋めていましたが、ちょっとやってみたいことがあって、こっそり試していました。
できるだけ短くまとめる
そのころ文章について特に学んでいたわけではありませんが、短い文章に濃いメッセージが詰まっている方がレベルが高いのでは?ということは感じていました。
それに社員が書いたレポートは全て会社の偉い人(複数人)が読むことになっていて、書く方は数枚ですが読む方はとんでもない枚数ということも気になっていました。
そこでせめて自分だけでもと、ウダウダと長くならないように気をつけ、できるだけ要点をまとめて1枚で終わるように考えて書くようにしました。
正直面倒なレポートも、こうやってマイルールを作れば楽しくなっていきました。
それなのに・・・
あるとき研修会があり、レポートを担当する偉い人がこんなことを言い始めました。
「レポートを読んだけれど、1枚で何が伝わるのか?まったく理解できません」
これが自分のことを指すのか、自分以外にも1枚でまとめる同志がいて、それらを指しているのかはわかりませんが、明らかに自分も含まれています。
しかもレポートの枚数を、3枚なら3.0、4枚と半分なら4.5といった具合にポイントを付けていて、それを偉い人たちで共有しているというのです。
もちろん会社の考えることですがから文句は言いませんが、中身じゃなく量を良しとする!というのを社員の前で堂々と言い放つのはどうなの?と思いました。
当然その日からレポートを書くときには、それまでレポートに対する情熱は完全に捨て、ダラダラとウダウダと、出来るだけ意味のないことを長く書いてポイントを稼ぐようになりましたが、これって自然の摂理ですよね?自分は悪くないですよね?
というわけで、ここまで書いて1600文字程度。
できるだけ短くまとめてみましたが、ちゃんと伝わったかなぁ?
でわ、股!!
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