20年以上勤めた会社の思い出話です。
長年会社にいると、同業他社から転職して来られる方がいます。
もちろん若くて経験の浅い人もいますが、中には超が付くほどのベテランで、年齢も幹部連中と近く、ヘッドハンティングとかそういうのではなかったと思いますが、たまにそういう「できる人」が入社してこられます。
そのベテランの方々は同業他社のノウハウを持っていて、それを自社で生かすためにどうするか?というのがその方々の価値となり、それを偉い人たちも期待していて、元々会社にいる自分のような社員には「よく見て学べ!このバカヤローども!」と、優しく叱咤激励されたものです。
ところが、そういう「よそからやって来た、できる社員」と呼ばれる方々は、ことごとく辞めていきます。
それがノウハウを吸い尽くしてお役御免になったからなのか、はたまた会社のトップによる猜疑心(妬みみたなもの)によって、スッと横にされてしまうからなのか、真相は闇の中ですが、会社からいなくなったことだけは事実です。
「よそからやって来た、できる社員」とは真逆の「もともといる、できない社員」である自分には関係のない話で、のほほんと事の顛末を見てきましたが、そのうち学んだ経験から、また別の方がやってきたら「いつまで続くかなぁ~」と心の中でつぶやいていました。
なぜ、こんな思い出話をし始めたかと申しますと、いつの間にか、自分がそっち側の人間になりつつあるからです。
4月から新しい職場で働き始めたのですが、これが長年勤めてきた会社からすると同業他社であり、元の会社では「できない社員」だった自分ですが、その会社の経歴が浅いこともあり、居場所が変わったことで「できる人」となってしまっているのです。
それを自分が思っているだけなら、ただの慢心野郎ですが、先日その会社が行っている制度の月間MVPに選ばれて、金一封と「画期的な仕事ぶり」というお褒めの言葉をもらうことで、自分の判断ではなくなりました。
確かに褒められたらうれしいですし、収入をなくした主夫には、たとえわずかな金額でも収入があるのは助かりますが、前の会社で前述したような経験をしてきた自分としては、今はチヤホヤされても、ノウハウが伝わりきればお役御免になるか、時間が経ってよそ者として猜疑心を持たれて、スッと横にされるか、どちらにしてもお払い箱になりそうな気がしてなりません。
もちろん、こんな自分を雇ってくれたという恩義は感じていますし、その分のお返しをしようとは思いますが、変に担ぎ上げられるとこそばい感じもしますので、このままがいいかなと思ったりしております。
というわけで、褒められても調子に乗らず、自分を失わないように、今後も働きます。
でわ、股!!
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