会社を辞めて2年も経つと、それまで忘れる事のなかった会社の人の名前が出てこないなど、時が経つのを痛感します。
それだけ時間が経ったわけですから、会社の噂もほとんど届かなくなり、自ら聞いたり会社のHPで人事異動を知るといった“他人事として楽しむため”にやっていたことも、面倒になってやらなくなったのですが、不思議なことに、それでもたまに噂が耳に届きます。
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あくまでも噂ですが・・・どうやら若手社員が現場(しかもオーナー)の金に手をつけて、それが発覚して大問題となり、会社のトップが全社員を緊急招集して、全社員の前で幹部並びに現場責任者クラスの社員をボロンチョンに罵倒し、社員の士気はガタ落ち、そしてその社員はクビになったそうです。
もちろん会社の金に手を出すのは良くないコトですから、その社員がクビになるのは仕方がないですし、会社の危機にトップが激怒するのも当然なのですが、わざわざ全社員を集めてその前で罵倒するとか、最前線からは退いた(はず)の人間が結局はトップに君臨していることなど、「相変わらずですな~」と思ってしまいました。
そりゃ~こういうことが初めてなら、会社の一大事として大騒ぎするのは当然ですが、自分の知る限り、同じようなことが少なくとも過去に2回はあったはずで、そのときも会社のトップが大激怒して偉い人たちを罵倒して社員の士気がガタ落ちしたけれど、結局同じことが起こっているわけですから、「結局、何も変わっていない」と思うわけです。
もちろん風の噂ですから、その罵倒の内容もどうだったかはわかりません。
「なぜ、その社員が現場の金に手を付けたか?それを考えろ!」と、社員のことを考えた内容だったのか?
「オレの顔に泥を塗りやがって!」と、我が身のことを考えた内容だったのか?
詳しいことはわかりませんが、風の噂では後者のようです。
昔、まだ会社が立ち上がった当初の頃、そのトップは社員を大事にすることを優先とし、会社が掲げる経営理念にも「ウチは人を大事にするよ!」的な言葉が並んでいます。
お偉いさんが集まる会議で「結婚して家庭を持つ社員より、まだ結婚前の若手社員の方が、給与面などを優遇してやる必要があるのではないか?」なんて意見を口にしてくれたこともありました。
それを知っている自分としては、昔のトップなら社員のことを考えて、前者のような内容になっていたのでは?と希望を持つのですが、まだ2年では変わっていなかったようです。
自分が20年以上勤めた会社を辞めた理由は、好きだった会社が大きくなるにつれ変わってしまったことです。
会社にとって大事な社員の基準が、“会社にとって都合のよい社員”となってしまったことで、異なる意見や批判的な考えを持つ社員は遠ざけられ、それが自分のような下っ端からでも見える状態が嫌で、会社を去りました。
でも昔はそうじゃなかったのを知っているから、そう簡単に辞めることはなく粘っていたのですが・・・結局は辞めちゃいました。
辞めることを決めかねていた数年間、そんな自社を反面教師に、会社の理想像を知るために様々な本を読みました。
一番ハマったのは未来工業の山田昭男さんの本で、「こんな会社が今の日本に存在するのか!」と目からウロコ状態でした。
会社を辞めたことでこういう本は読まなくなりましたが、今回のように、たまに風の噂を聞いて会社が変わっていないことを耳にして、「もし、まだ会社を辞めていなかったら、どんな本を読んでいるだろう?」と思って探してみると、当然ながらありました。
もし、まだ会社を辞めていなくてトップの罵倒を聞いていたら、きっと帰りに本屋に寄ってこんな本を買って、居酒屋のカウンターにひとり座ってビールを片手に読みふけり、「ちきしょう」とボヤきながら焼き鳥を・・・なんてことを想像しつつ、会社を辞めて本当によかったと、改めて思うのでした。
でわ、股!!
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