その存在を知ってから、観たくてしょうがない映画を観てきました。
前置きが長くなりますので、映画の感想を早く知りたい方は、2ブロック先にお進みください。
音に反応し人間を襲う“何か”によって荒廃した世界で、生き残った1組の家族がいた。
その“何か”は、呼吸の音さえ逃さない。誰かが一瞬でも音を立てると、即死する。
手話を使い、裸足で歩き、道には砂を敷き詰め、静寂と共に暮らすエヴリン&リーの夫婦と子供たちだが、なんとエヴリンは出産を目前に控えているのであった。
果たして彼らは、無事最後まで沈黙を貫けるのか――?
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映画を観れたシチュエーション
音を立てられない・・・
つまり、会話もできない・・・
もちろん、オナラもできない・・・
久々に「観たい!」と思わせる映画(クワイエット・プレイス)があらわれたハナシ - 働けおっさんブロガー
ぼくが監督だったら、おならを我慢するシーンとか入れたい。
2018/07/12 19:23
そんな中を生き抜く家族を描く話なのですが、この設定がホラー映画としては秀逸で、映画館で観ている自分たちも「音を立てられない・・・」という緊張感を持たされます。
家でひとりでネットで映画が楽しめる時代に、映画館でしか味わえない仕組み(仕掛け?)を、映画館の努力(コスプレイベントなど)ではなく普通の映画で実現で来ているのは素晴らしいと思います。
なので、どうしても映画館で観たかった映画なのですが、いかんせんワタクシ稼ぎの少ない主夫であり、映画館のチケット代1,800円は少々お高いのでございます。
そこで夫婦50割などのサービスを利用すればいいのですが、とにかく嫁さんがホラーが苦手で一緒に観ることはまず無理です。
そこで、“台風接近中の旅行で、電車が止まって足止め状態”、という非日常(非常事態?)に身を置くことで金銭感覚のマヒを起こし、ひとりで名古屋の映画館に行くことにしました。
映画の感想
とにかく面白かったです。実はこの映画の情報を、事前にいろいろなところで見て聞いて知ってしまっていたので、純粋には楽しめないかな?と思っていましたが、そんな個人的なハードルを軽く越えるくらい面白かったです。
どんなことがあっても声を出してはいけない。というルールを守るだけなのですが、それでも声を出したくなるシチュエーションが次々に現れて、観ている自分たちも静かにしなければ!という錯覚に陥ります。
多少のネタバレになりますが、家族のお母さんが、見ているだけでもふんぬー!と力が入るくらい痛いシーンがあるのですが、それでもやっぱり声を出してはいけない。これが普通の生活の一場面だから現実味があって、よけいに痛そうに感じられます。
ストーリーとしては、すでに“何か”が登場しているので、「キャ~!“何か”が来たわ!」とか「警察は何をしているんだ!」というような部分はスッパリ省かれていて、その“何か”がいる世界で淡々と生き抜くだけなのですが、この設定が自分のような“ゾンビ映画好き”にはタマラナイ設定で、生き残るために工夫を凝らし、どうにかその“何か”を攻略できないか?と諦めそうになりながらもやっぱり頑張る姿も、こういう映画の楽しみです。
もちろん映画として、そのまま平穏無事に生活できるわけがなく、たまに子ども同士が暴れて音を立ててビビったり、お母さんが(いつの間にか)お腹が大きくなっていて出産というイベントが訪れたり、突然家族以外の人間が現れて大声を出したり、いろいろあって大変です。
そんな中、家族を守るために父親と母親が体を張って、“何か”やそれ以外のモノと戦い、最後はハラハラドキドキどうなるか!という家族愛を描く映画でもあります。
ストーリーとは関係のない感想
ストーリーの内容についてはネタバレになるので詳しく書きませんが、それ以外のちょっとした感想を書いてみます。
まず、話の中で「“何か”が音には敏感だけれど、他に大きな音がしていれば大丈夫」という設定が出てきます。普段は会話することもできず、手話でコミュニケーションを取りながら生活していますが、例えば滝の近くでは大声を出しても“何か”はやってきません。
じゃあ!滝の近くに住めばいいのでは!?
と激しく思ったのですが、もちろんそれでは映画として成り立ちませんし、逆に“何か”が近づいてもわからないので、ダメなのでしょうかね。
あとは、いつの間にかお腹が大きくなったお母さんのことですが・・・
声も音も出さずに・・・って、よけいに興奮するよね!
みたいなことを考えてしまいました。
スミマセン・・・
映画館で観る楽しさ
これは自分の場合だけかもしれませんが、やっぱりこの映画は映画館で観るべきで、そうして大正解でした。
というのも横に座る若い男性がポップコーンを食べていて、映画の内容が内容ですから館内ではほとんど音がせず、だんだんポップコーンを食べている音が目立つようになります。それに気付いた男性は、映画の中で音のするときだけポップコーンを食べるということになり、それが何とも可笑しくも微笑ましくも思えました。
他にも、後ろに座っていた若い女性がどうやらビビリさんみたいで、映画の中で静かなシーンが続いた後、急に物音がしたらビクッ!とするのか前の座席をキックしてくれて、ちょっとした衝撃がアトラクションとして楽しめました。(イラッとしたら負け・・・)
というわけでこの映画、あくまでも個人的な感覚ですが、チケット代1,800円の価値が十分あったと思いますし、今年は、少し前に観た「カメラを止めるな!」も面白かったので、大変満足でした。(ミッションインポッシブルも観たけれど、それにはスルーで・・・)
さすがに万人にはオススメできる映画ではありませんが、ホラー耐性がある方であれば、十分楽しめると思います。
そして最後に、この映画の特徴としてめちゃくちゃセリフが少ないので、「これを戸田奈津子さんがするなら勿体無い!」と、映画評論家の町山さんが仰っていましたが、戸田奈津子さんではありませんでしたので、ご報告までに。
でわ、股!!
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