46歳で退職してブロガーになってみた

働けおっさんブロガー

26年勤めた仕事を無計画に辞めたおっさんの生き様を綴る

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クリント・イーストウッド監督・主演の「運び屋」を嫁さんと観たハナシ(ネタバレあり)

とある日曜日の朝、嫁さんが「買物に行く」と言い出しました。

もちろんいつものことであり、その間、まさに「嫁の居ぬ間」に、YouTubeに公開するプロレスゲームの実況動画を収録が出来ることを考えると、「そう!気をつけて!」と気持ちよく送り出したほうが得策なのですが、それで手に入る「得」は目先の物でしかなく、嫁さんと過ごす時間を増やしたほうが、もっと大きな「得」が手に入るのでは?と感じた自分は、「よし!俺も行こうかな!」と同行を申し出ました。

ただ、普通に買物だけだと難しいと感じたので、「ご一緒に映画はいかがですか?」とセット商法を切り出し、それに嫁さんが乗ってくれて買物+映画となったわけですが、問題は何の映画にするか?です。

以前、クリント・イーストウッドが監督を務めた「ミリオンダラー・ベイビー」を観て衝撃を受けた自分としては、同じ監督の「運び屋」という映画の存在は知っており、どんな内容なのか?評判はどうなのか?その両方を知らなくとも、「クリント・イーストウッドが監督の作品なら大丈夫だろう!」ということだけを嫁さんに伝えて、それで決まりました。

 

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あらすじ(ネタバレだらけ)

youtu.be

家族をほったらかしにしてまで仕事に打ち込んでいた主人公(クリント・イーストウッド)が、ひょんなことから運び屋になり、最初は1回こっきりで止めようと思っていたのに、稼いだ大金で疎遠になった家族や昔の仲間を助けることに気を良くして、なんだかんだと続けてしまいます。

もちろん警察も「運び屋」を追うのですが、まさかそれが90歳のおじいちゃんとは思わず、何度か危ないシーンはあるものの、捕まえることが出来ません。

そうこうしているうちに可愛がってくれていた組織のボスが内紛で失脚し、それまで 和気あいあいとやっていた主人公にも、新しいボスからの厳しい監視の目が向けられますが、そのタイミングで愛する奥さんに死期が迫っていることを知り、これまでの罪滅ぼしも兼ねて運び屋の仕事をほっぽり出して、奥さんの側に寄り添うことにします。

もちろん組織はカンカンで、ついに見つけた主人公を問い詰めますが、今度はそのタイミングで警察が主人公の居場所を見つけ出し、結局警察に捕まってしまい、裁判では自ら「自分は有罪だ」と言い出してあっさり判決が下り、刑務所で余生を過ごしましたとさ。

 

派手なアクションも、大どんでん返しも、複雑な伏線も、何にも無い!

この映画は実話を元にしており、クリント・イーストウッドが演じるおじいちゃんの運び屋は、レオ・シャープという実在した人物です。

レオ・シャープ - Wikipedia

そして、この物語はニューヨーク・タイムスに掲載された記事が元になっており、英語ではありますが、ネットで読むことが出来るようです。(もちろん自分は読めません)

There’s a True Story Behind ‘The Mule’: The Sinaloa Cartel’s 90-Year-Old Drug Mule - The New York Times

このストーリーを忠実に再現することを目指したからなのか、この映画には派手なアクションも、大どんでん返しも、複雑な伏線も、もちろんその伏線回収も、何にもありません。

退役軍人だったおじいちゃんが組織をぶっ潰す!とか

組織と警察に追われるおじいちゃんが大逃亡!とか

警察との頭脳戦でおじいちゃんが大活躍!とか

そういった、観る側の人間を良い意味で裏切るような展開は何も無く、ただ淡々とストーリーが進んでいきます。

 

個人的にはラストのセリフがたまらない(ネタバレあり)

そういう意味では「ちょっと物足りない・・・」と感じるかもしれませんが、個人的にはラストの裁判のシーンで主人公が発するセリフが素晴らしく、それだけでこの映画を観た価値があったと思っています。

「金で何でも手に入ったけれど、時間だけは買えなかった」

ひょんなことから運び屋になった主人公は、ただ車を走らせるだけで大金を手にしたことにより、そのお金で周りの人間を喜ばせることができたのですが、疎遠となった家族との失われた時間だけは手に入れることが出来ませんでした。

つまり、運び屋としての罪に対する罰はもちろん受けるけれど、これまでほったらかしにしていた家族への罪滅ぼしとして、自ら刑務所に行くことを決めたのでは?というのは深読みしすぎでしょうか。

そして、このセリフが実話なのか、映画としての演出なのか、はたまたクリント・イーストウッドのアドリヴなのかはわかりませんが、こういう考え方が好きな自分としては、このセリフだけで「よかったよかった」なのです。

 

さて、現実に目を向けてみようか

結婚して20年目に、それまで長年勤めた会社を辞めました。

さすがに、映画の主人公ほど仕事を優先して家族をほったらかしてきたわけではありませんが、それでも「嫁さんと2人の時間を大事にしてきたか?」と自問自答すると、出来ていませんでした。

なので会社を辞めてから、自分のやりたいことをやりつつも、出来るだけ嫁さんと一緒に過ごす時間を増やすように(自分なりに)しています。

それで嫁さんが喜んでいるのか?以前のようにクソが付くほど忙しくて、ストレス解消のために毎晩のように飲みに行く方が良かったのか?それはわかりません。

ただ、この映画を観て、自分としては「会社を辞めて本当に良かった」と思っています。

だって以前にように働いていたら、今回のようなたまの休日には自分のやりたいことだけに時間を費やしたくて、内容も評判もわからないような映画を観に行くようなギャンブルには乗らなかったでしょう。(いくらイーストウッドでも・・・)

もちろん嫁さんとしては「本当は一人でゆっくり買物したかった・・・」と思っているかもしれませんし、そして、この映画を観てどのような感想を持ったのかもわかりませんが、映画の中で、散々これまで辛い思いをさせられてきた主人公の奥さんが、最期に主人公が来てくれたことを喜んでいたシーンを、自分は信じます。

 

で、結局どうなの?

この映画が面白いかどうかを問われると、「人による」みたいな答えを返します。

まず子どもはダメで、夫婦で観るのも微妙かもしれません。

しかし家族のいるおっさんは観る価値大で、自分のことを考え直す、もしくは見直すきっかけになるのでは?みたいなことを思います。

確かに仕事は大事ですが、それで家族との関係が悪くなるのであれば、考える必要があるかもしれません。

何年も経って「仕事より家族だった」と気が付いたときには、もう取り返せないかもしれません。

この映画が、そういうことを伝えたかったのかはわかりませんが、自分としては、勝手にそんなメッセージを感じ取りました。

 

あと、繰り返しになりますが、この映画のタイトル「運び屋」に対して、派手なアクションやスリル、そして大どんでん返しなんかを期待すると失敗しますので、それだけはご注意を。

 

でわ、股!!

 

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