46歳で退職してブロガーになってみた

働けおっさんブロガー

26年勤めた仕事を無計画に辞めたおっさんの生き様を綴る

スポンサーリンク

スイミングスクールのコーチがレッスン中に泳がない理由

どうも、マスクド・ニシオカです。

スイミングスクールで水泳のコーチの仕事に復帰して約1ヶ月が経ちました。

www.maskednishioka.com

19歳のときからやっている仕事ですから、知識的な不安はありませんでしたが、1年間のブランクはどうしようもなく、体力と精神にそこそこのダメージを追いました。

まず復帰1日目でいきなりヘルペスが顔を出し、プールに入ることによる体温調整から来る、体の火照りが布団に入ってからも続き、それまで19時には食べ終わっていた夕食の時間が、23時を越えることによる胃腸の負担から来る不快便。とにかく生活のリズムが崩れることで、なかなか大変でした。

しかし、さすがに1ヶ月も続けば感覚を取り戻し、先日は1日に5時間のレッスン(途中休憩あり)もこなすことができました。もっと若ければ1日7~8時間も平気でしたが、アラフィフにとって1日5時間のレッスンは十分な肉体労働でございます。

 

スポンサーリンク

 

 

大人のお客さんから言われたひと言

今お世話になっているのは、昔一緒に働いていた人たちが興した会社で、自分としては初めての現場です。当然、そこにいるお客さんとも初対面で、お互い探りながらレッスンを行っています。

子どもはどこに行っても変わりません。おもしろいことが好きで調子に乗って前に出てくる子どもと、引っ込み思案でいつも後ろにいる子ども、その距離感を感覚で感じ取って、いろいろな表現で押したり引いたりしていれば、ある程度までの人数なら掌握することができて、初対面でも10分もあればコントロールできるようになります。(プールの中であれば…ですけどね)

しかし大人は違います。年齢のこともありますが、性格や考え方が大きく違いますので、簡単に触ることができません。もちろん、その辺を探りながら普通のレッスンをこなすことは出来ますが、大人のハートを鷲掴みにしてコントロールするのは簡単ではありません。自分が苦手意識を持っているからでもありますが、この仕事を27年ほどやってきて、大人は慎重に!というのが身に沁みています。

前置きが長くなりましたが、そんな新しい現場でレッスンを担当させていただた大人のクラスで、参加者がひとりという状態が生まれました。そのお客さんは水泳歴30年を越えるベテランで、基本的にレッスンメニューを決められています。レッスンの最初に希望するメニューを聞き、それをサポートするのが自分の仕事となりました。なぁ~んてかっこよく書いておりますが、簡単にいえば、そのお客さんがひとりで黙々と泳ぐのを、隣りで本数を数えているだけのお仕事です。

そんなお仕事ですから、そのお客さんからこう言われました。

「一緒に泳いだら?」

 

スイミングスクールのコーチが泳がない理由

「いえいえ、とんでもない」

その返答がお客さんにどう捉えられたかはわかりませんが、出来るだけ丁重にお断りしました。そのまま時間は経ち無事にレッスンを終えてお客さんと別れましたが、別段気分を害されてはおらず、ホッとしました。

このお客さん意外にも、水泳のコーチはレッスン中にたくさん泳ぐと思われていたり、逆にたくさん泳げないと水泳のコーチにはなれないと、一般の方からも思われています。スイミングスクールに通ったことのある人は多いと思いますが、教える側のコーチになる人はあまり多くはありませんから当然でしょう。

ですが、水泳のコーチはレッスン中にあまり泳ぎません。泳ぐのが好きでプライベートで泳ぐコーチはいますが、それはあくまでもプライベートの時間です。レッスン中に泳ぐコーチがいるとするならば、それは仕事を放棄しているのと同じことです。なぜならば、コーチが泳いでいる間、担当しているお客さんの安全は、誰が守るのか?ということになるからです。

泳いでいる間、水中では外部と遮断された世界に入ります。泳ぐことに熱中している人に、プールサイドから声をかけても届かず、視野に入ることすら難しくなり、泳いでいる人を呼び止めるには、ターンのときに直接触れるくらいしか出来ません。

コーチが泳ぐということは、お客さんを目視できないということであり、何が起こっても気がつきません。簡単にいってしまえば、コーチが泳ぐということは、自分が担当するクラスのお客さんが、溺れていても気が付かないということです。

今回のようにお客さんがひとりで、隣りのレーンで並んで泳ぐことも可能ですが、それなら歩いているほうが気が楽です。例えそれが大人で水泳歴30年を越えるベテランであっても、心臓や脳の血管にトラブルが起きればそのまま沈んでいきます。

だから、水泳のコーチはレッスン中、見本を見せるとき意外は泳ぎません。ずっと歩きながらお客さんを目視して、お客さんの安全を守ります。

 

スポンサーリンク

 

 

責任者になると守備範囲が大きくなる

  • かけだしのコーチは、目の前の子どもを見れるように
  • いっぱしのコーチは、担当する子ども全員を見れるように
  • ベテランのコーチは、自分の隣りの担当の子どもも見れるように
  • 現場責任者は、その時間全ての子どもが見れるように

スイミングスクールで働くコーチは、水泳の技術を教えることが主な仕事ですが、それ以上に大事なのが、お客さんの安全を守ることです。泳ぐのが上手くなるけれど、しょっちゅう子どもが溺れるスイミングスクールなんて、親としては通わせたくないでしょう。実際、オリンピックを排出したことのある名門スイミングスクールで、子どもが溺れて亡くなってしまい、そのスイミングスクールは廃業したという例もあります。

子どもが溺れたときにコーチは何をしていたのか?その答えが「泳いでいた」となれば、何をどう釈明しても収まりません。

その意味を深く知る責任者は、自分が担当するクラスがあってレッスンしていても、プールに来ている子ども全員の安全が守られているか気になります。もちろん、それは自分の担当するクラスの安全を守った上でのことですが、視野を広げて、聞き耳を立てて、出来るだけ多くの子どもの安全を確保し、異常があれば担当のコーチに声をかけます。

自分がお世話になっているスイミングスクールはそれほど多くはないですが、ある程度会員数の多いスイミングスクールだと100人、もっと多いところだと200人が同時にプールでレッスンを受けます。それぞれ担当するコーチがいて子どもを割り振るのですが、責任者はその全員に責任を負わなければなりませんから、気が気ではありません。

なので、かけだしのコーチは目の前の子どもだけですが、責任者は、その時間全ての子どもとなるわけです。

 

スポンサーリンク

 

 

この記事のきっかけ

先日、自分が仕事復帰をして、レッスン以外の仕事をこなしたことを「こんなこと、よくやっていたなぁ~」として記事にしました。

www.maskednishioka.com

そこに、このようなコメントを頂きました。

アルバイトながら現場復帰して思う「よくやっていたなぁ」 - 働けおっさんブロガー

スイミングスクールのコーチって泳ぎを教えるだけじゃなかったんですね・・・。

2017/07/02 16:52

b.hatena.ne.jp

アルバイトながら現場復帰して思う「よくやっていたなぁ」 - 働けおっさんブロガー

水泳のコーチってレッスン受けてる生徒にとっては、憧れる仕事の一つで楽しそうなんだけど、意外と見えてないところが大変なんだな…ってブログ読んでて思います

2017/07/02 13:23

b.hatena.ne.jp

コメントありがとうございます。

自分としては、水泳のコーチの仕事をあまりオススメしていません。

www.maskednishioka.com

どんな仕事も大変だとは思うのですが、水泳のコーチは「子どもが好き」とか「水泳が好き」レベルでは続けることが出来ない仕事で、アルバイトとして経験するのはオススメしますが、一生の仕事にするのであれば、先を見ておかなければ難しいというようなことを書いてあります。

前述したコメントを頂いた記事は、「1年間のブランクでバテバテになっちゃったおじさんのハナシ」みたいな意図で書いたつもりなのですが、このようにスイミングスクールの仕事の内情を繊細に受け取ってもらえる読者の方がいて、大変うれしく思っております。(もちろん、意図しない方向に行った反省も…)

このコメントを頂いて、また水泳のコーチのことを書いてみようと思い、今回の記事が生まれました。重ね重ね、本当にありがとうございます。

 

最後に

仕事を再開した6月は、緊急事態ということもあってあらゆる仕事を引き受けました。ただ、それだと自分がしんどいし、あとは嫁さんの扶養に入る問題などから、仕事の量を抑えることと、自分の好きなクラスだけにしてもらいました。

7月に入り、明るい時間に職場を出て、夕食も嫁さんと食べられる生活に戻りました。もちろん、嫁さんがそれを望んでいるかどうかはわかりませんが…。現場は人手が足りなくて大変そうですが、新しいアルバイトを雇えたみたいなので、お先真っ暗というわけではありません。

問題は7月の後半から8月いっぱいまで行われる夏休み水泳教室で、その期間中はスタッフ総出で対応しなければなりませんから、たとえアルバイトであっても、朝から晩までプールにいる状態になります。もちろん、それをお手伝いすればお金にはなるのですが、さすがに体が持たない気がするので、責任者にはやんわりとお断りしているのですが、どうなることやら・・・。

 

本当に最後に

気が付くと4,000文字近く。さらっと書くつもりが長々とした記事になりました。やっぱり自分が長くやってきた仕事のことになると、ついついキーボードを叩くスピードも上がってしまのでしょうかね。そんな記事を最後までお読み頂き、本当にありがとうございます。

 

でわ、股!!

 

クリックしてもらえると助かります。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村