スイミングスクールの生徒の8割は子ども
絶対とまでは言いませんが、ほとんどのスイミングスクールのお客さんは子どもが8割多かったら9割になります。ただ、フィットネスクラブは別ですからね。あれは大人がメインで子どもをやっているようなところが多いです。
元スイミングのコーチとして
今はこうしてブロガーを書いている自分ですが、元は水泳を40年以上やっていまして、スイミングのコーチは26年以上やっています。ですので、その多くの時間を子どもを相手に水泳指導を行ってきました。
子どもの指導はおもしろい
コーチの仕事は子どもに水泳を教えることですが、同じようにしていてもすぐに覚えてできるようになる子どもと、なかなか覚えらず時間がかかる子どももいます。十人いれば十通りですから当たり前のことです。ですが、それがコーチの思惑通りにぴたーっとハマるときがあります。それがコーチをやっていて楽しい瞬間です。
子ども全員が来たくて来ているわけじゃない
子どもがスイミングスクールに通い始めるきっかけは様々です。もちろん自分で行きたいと言い出す子どももいますが、多くの場合は親が子どもに『泳げないとこの子が困るだろう』という親心で始めることが多いのではないでしょうか?
しかし、これは子どもにとっては理解できないことで、平気で『なんで泳げないと困るの?』と思っている子どもは多いのです。泳ぐのが元々得意とか水が苦手でなければそんなことは考えませんが、泳げないし水が怖いと思っている子どもにとってはスイミングに通うことは拷問だと思っています。泳げなくて水が苦手だからこそスイミングに通う必要があると考えるのは大人の世界の話であって子どもには理解しがたいことなのです。
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『泳ぐ気にさせること』と『泳げるようにすること』の違い
批判をするわけではありませんが、親御さんはたいてい『スイミングスクールに通えば泳げるようにしてくれるだろう』と思っていると思います。別に間違いではありません。しかし、スイミングスクールにいるコーチの多くは『泳げるようにすること』は出来ても『泳ぐ気にさせること』は苦手です。
子どもをやる気にさせるにはある程度の経験が必要です。その理由は人間には感情がありますから機械のようにひとつの指示を出したからといって素直にそれを行いません。
- わかっているけど、やりたくない
- 出来ることだけど、わざとやらない
- 早く帰ってTVを観たいから、やらない
機械なら考えられないことですが、子どもとは人間でありそういう生き物です。多くのコーチはこれを経験していないと理解できません。頭の中はクエスチョンマークだらけです。実は、親御さんから見てコーチがなかなか水泳を教えてくれなくてイライラするような場面があるかもしれません。しかし、これは『泳げるようにすること』よりも『泳ぐ気にさせること』をしている場面かもしれません。
実は自分も苦労しました
自分が水泳のコーチをはじめたのが19歳のときで、それまでに16年泳いできているから教えるのも出来るだろうと思っていました。しかし、『泳げるようにすること』は理解出来ていても『泳ぐ気にさせること』は出来ていませんでしたのでうまくいかずに大変苦労しました。
やる気スイッチを入れるという考え方
正直、指導をはじめた頃なんてやる気スイッチを入れる考え方が無かったですし、やる気があって当然だと思っていました。しかし、実際に指導してみてうまく行かないことで勉強するようになりました。そんな中であることに気が付きます。
ある日、先輩のコーチが自分と同じような練習をしているのを眺めていると、担当している子どもの表情が違うことに気づきます。自分がやったらそうならない、なぜあんな子どもが生き生きしてやっているのだろうと見ていると、意味のないことをやっているのです。しかし、それはその当時の自分にとっては理解できずにいただけで、結局はこどものやる気スイッチを押していたのでした。
やる気スイッチの効果
やる気スイッチと出会ってからはその技術の習得と考え方を高めることに没頭しました。なんせやればやるほど効果が出るのでやっていてこれほど楽しいことはありませんでした。もちろん、これをしたからといって子どもがすぐに泳げるようになるわけではございません。しかし、子どもがイヤイヤ通うよりは親としては大助かりです。そうやって親御さんも理解してくれるようになりました。
やる気スイッチの基本
これは本の受け売りですが基本的にはこう考えます。
できることは面白い
面白いから練習する
練習すると上手になる
上手になると大好きになる
そして次の段階に行きたくなる
これをお読みのお子さんをお持ちの親御さんは、きっとこう思うでしょう。
『わかっているけど、そう簡単にいかない!』
おっしゃるとおりです。そういうアナタにこういう言葉をお送りします。
『まだ上から目線でやっているの?』
偉そうに書いてすいません。しかし、相手は子どもですから子ども目線で考えないと上手くいきません。『ほら、スイッチ押したよ、やりなさいよ。』みたいなのを子どもは察知します。意外と賢いのです。本当に子どもが楽しいことを見極めるのは大変ですが大事なことです。
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基本のやる気スイッチが入ったら
これも本の内容から引用します。
スイッチ1 子どもは競争したがる
スイッチ2 子どもは真似をしたがる
スイッチ3 子どもはちょっとだけ難しいことをしたがる
スイッチ4 子どもは認められたがる
自分のがこの中で特に気にしていたのは『スイッチ4 子どもは認められたがる』です。よく子どもをほめることを推奨されますが、『ほめる』と『認める』は違います。簡単に考えると『ほめる』は子ども扱いされていると感じるようで、『認める』は1人前に扱ってくれると感じるようです。決して『ほめる』ことを否定するわけではありませんが、『認める』ことの方が喜ぶ子どもが多かったのは実体験で感じたことです。
子どもの力を信じること
子どもは基本的に甘えてくるものです。できない、こわい、いやだ、そこから逃れるためならどんなウソだって平気で言います。
子ども『お腹が痛くて出来ない』
コーチ『そりゃあ大変だ、救急車を呼んで病院へ行こう』
子ども『いや、大丈夫、治った』
もちろん、これはコーチが子どものことを十分理解しているから出来ることですが、こんなことはしょっちゅうです。子どもの力を信じていれば出来ることを見抜いてあげてあとは放っておきます。そうすれば子どもは自分の力でやり始めます。実はそれもやる気スイッチのひとつなのです。
実はまわりの大人がやる気スイッチを切っていることも
甘えてくれば手を貸して助けてやりたくなるものです。しかし、案外それがやる気スイッチを切っているかもしれません。自分の力で出来ることをやらなくて良いとわかればやらないで楽をする方法を学びます。その見極めは大変難しいですので親御さんも一緒になって考える必要がありますね。
子どもだって人間です
子どものことを何とかしてあげたいからこそ、親としてあれこれ口や手を出してしまう気持ちは理解できます。しかし、相手は子どもではありますが1人の人間です。幼いからといって機械ではありません感情を持っています。そう簡単にコントロールできるものではありませんが、それ以前に1人前として扱ってあげることが必要です。実は子どものやる気スイッチを入れたがっている親御さんの方が言うことを聞かないという話をよく聞いたりもします。難しいと思いますがいろいろと考えてみてください。
この本に全て書いてあります
今回の内容は、この本を元に書いています。ここに書ききれなかったことも書いてありますので、興味がある方は読んでみてください。
スイミングのことをまとめてみました!
でわ、股!!