この時期、暑くなって水遊びをする人が多くなると、それに伴って、水難事故のニュースも増えます。
今年も、特に耳をダンボにしているわけでもないのに、勝手に水難事故のニュースが入ってきます。
自分はスイミングスクールで子どもに水泳を教えているので、そういう事故のニュースを知ると、なんだか辛い気持ちになります。
ただ、それは「溺れないための技術を教えているのに・・・」という気持ちではなく、「例えプールで泳げても、他では通用しないのに・・・」ということです。
これを書くと同業者の方からお叱りを受けるかもしれませんが、30年近くこの仕事に携わってきて、そう学んできたので、そのまま書いちゃいます。
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「いかに早く泳げるか?」を求められるのがスイミングスクール
全てのスイミングスクールとはいいませんが、特に民間が運営する場合、スイミングスクールというのは「サービス業」であり、大雑把な言い方をすれば「人気商売」です。
なので、お客さんの評判を上げるために、いろいろな商売としての戦略が求められ、そのひとつが「いかに早く泳げるか?」です。
ただ、間違えてはいけないのが「速く」ではなく「早く」で、つまり、出来るだけ低年齢で泳げるようにするか?ということです。
早く泳げるようにするための環境づくり
当たり前ですが、スイミングスクールには「流れ」がありません。
当たり前ですが、スイミングスクールには「波」もありません。
そして、基本的に低年齢の子どもでも立てる場所での練習です。
つまり、いかに泳ぎやすくするか?を考えて環境を作り、それで泳げたら、「泳げた!」と認めてしまうのが、スイミングスクールなのです。
そうやってお客さんに喜んでもらい、商売を成功させないとやっていけないのです。
そして、それは海や川といった大自然の中で泳げる能力ではなく、あくまでも整えられた環境で泳げるだけの能力なのです。
本人は勘違いする
で、これを読んでいる大人の方は、「そんなことわかっているわ!」と思われるかもしれませんが、スイミングスクールに通う子ども本人は、そうは思いません。
プールでコーチから「凄い!泳げたね~」と褒められて、それをギャラリー(見学室)で見る親からも「やったね~」と褒められて、完全に「自分は泳げる!」と思い込んでしまいます。
水のある環境といえばプールであり、流れや波、そして深い場所があることも知らない子どもが、水面だけを見て判断し、「自分は泳げる!」と思って躊躇なく水に入ってしまうことがあるのです。
過信が事故を生む
スイミングスクールに通う子どもに対し、コーチは「怖くないよ」と言います。
ずっと怖がったままで泣いていたり、スイミングスクールに来たのにプールに入らないで終わったら、商売上がったりになるからです。
でも、本当は怖いものなのです。
怖いと思っているくらいが、いいのです。
過信が一番怖いのです。
守れるのは親(大人)だけ
そこで大事なことは、親(大人)が「子どもは泳げると思っているけれど、プール以外の場所では通用しない」と思っておくことです。
自分の場合は担当する子どもの保護者に、子どもが泳げるようになって、夏の行楽シーズンが近づいて海や川や他のプールに行くかもしれないので、出来る限りそのことを伝えるようにしています。
「本人は泳げると思っているので、逆に気をつけて、目を離さないでくださいね」と。
それくらいで丁度なのです。
もちろん、溺れないように努力はしている
ここまで書いておいて何ですが、決してスイミングスクールで教えていることが、全て無駄なわけではありません。
「泳ぐ」ということが出来るためには、【水中でのバランスの確保】や【立つための技術】などが必要で、それらをやりやすい環境で行うことで、短時間で習得してもらえるように日々努力しています。
ということだけは、自分及び全国のスイミングスクールで働くコーチのためにも、書いておきます。
というわけで、まだまだ暑い日が続きますので、お子さんと一緒に夏休みを楽しまれると思いますが、どうか過信だけはせず、「大丈夫か?」と思うくらいでいてください。
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