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学校水泳をスイミングスクールに委託する動きのハナシ

どうも、マスクド・ニシオカです。

先日、このようなニュースを見つけました。

学校からプールを撤去し、外の市営・民間プールを使う学校が増えている。高度成長期に作られたプールの老朽化が進むなか、外の資源を有効に使うことで、コストのメリットや指導の質を上げるのが狙いだ。

https://www.huffingtonpost.jp/2018/07/12/scholpoolclosed_a_23480113/

この記事によると、すでに千葉県佐倉市の小学校では民間のスイミングスクールを利用して体育の授業を行っているようで、学校のプールを維持(及び改修などを)するお金を考えると、その方が安く付くと合理的に考えた結果だそうです。

この件につきまして、長年スイミングスクールで仕事をしてきた人間として、思うことを書いてみます。

 

学校側の利点

詳しくは紹介した記事を読んで頂いた方がよろしいかと思いますが、要するに学校のプールを維持するお金が結構かかるので、それを何とかできないか?というのが学校側が第一に考えていることです。

維持費については、水道代と塩素濃度を保つための薬品代くらいなので、たいしたことはないと思うのですが、問題は改修費の方で、建物として考えた場合、老朽化という避けられない問題があり、そうなると平気で何億円もかかるでしょうから、その金額を捻出するのは難しいのが現実です。

もうひとつは水泳指導についてですが、これは過去に飛び込みなどの事故があり、学校水泳の指導者を育成するか?それか臭い物にはフタ理論で飛び込み指導自体をやめてしまうか?というような議論があり、その両方を解決できるのがスイミングスクールへの委託ということなのでしょう。

 

スイミングスクール側の利点

スイミングスクール側としては、これほどのビジネスチャンスはないと思っているでしょう。(もちろんデメリットもありますが、これについては後述します)

基本的にスイミングスクールのお客さんの大半は子どもで、その子どもがプールにやってくるのは“学校が終わってから”です。

つまり学校がある時間のスイミングスクールはお客さんが少ない状態であり、その時間をどうにかして活用することが出来れば、スイミングスクールとしては維持費をかけずに儲けることが出来ますので、この話はウハウハものです。

またスイミングスクールとしては、これをきっかけにアピールすることができるので、新しい会員を取り込むことも考えられます。

学校側との折衝は必要ですが、現会員以外の子どもに特別割引を行う内容のチラシを配布するなどすれば、大きな費用がかかる新聞折込などよりも確実な集客が望めるでしょう。

 

考えられるデメリット

もちろん学校水泳をスイミングスクールに委託すれば、全てが丸く収まるというわけでなく、それぞれにデメリットが考えられます。

学校側のデメリット

紹介した記事にも書かれていますが、水泳指導には危険が付き物です。

もちろんスイミングスクールでは、そうならないために勉強したり研修をしたり努力をしていますが、それも絶対ではなく、スイミングスクールでも事故は起きています。

そこで問題となるのは、もし子どもが溺れた場合、その責任は誰が取るのか?という問題が起きます。

もちろん事前に話し合って契約書を交わしたりすることはできますが、それでも事故が起きたときに責任のなすりつけあいになる可能性はゼロではありません。

学校水泳をスイミングスクールで行うことで、プールの維持費や先生の人件費などが削減できるかもしれませんが、任せることでリスクを負うことになるというのも事実です。

スイミングスクール側のデメリット

スイミングスクール側としては、コーチの確保ができるかどうか?という問題が考えられ、それを上手く解決できなければデメリットとなりかねません。

自分の経験上、学校の子どもたちが来るであろう時間は、学生アルバイトは自身の学業があるので勤務するのが難しく、主婦やフリーターといった時間に余裕のあるアルバイトが頼みの綱となります。

そういった主婦やフリーターといったアルバイトを確保出来ていれば問題ないのですが、そうでなければ新たに募集するか、数名しかいない社員が入ることになります。

当然社員の負担は増えますが、アルバイトと違って負担が増えた分だけ、即給料に反映するわけでもなく、しんどい仕事になります。

しんどい仕事が増えて他の業務に悪影響が無ければいいのですが・・・

もちろんこれは、物事を悪い方へ悪い方へ考えたものなので、必ずこうなるわけではないのですが、自分がこれまでに経験したことから言わせてもらうと、これがデメリットとなります。

 

以前からある流れ

 実はこの流れ、つまり学校水泳をスイミングスクールに委託する風潮は以前からあり、例えば学校の先生が泳げない子どもに対して、スイミングスクールに通うことを正式にオススメしたり、小学校でプールに入って指導する先生が足りないから、スイミングスクールに依頼してコーチを派遣してもらうというようなことは、実際に経験しております。

そもそもスイミングスクールには、『幼稚園指導』と呼ばれるシステムが古くから存在し、近隣の幼稚園がスイミングスクールと提携し、夏だけでなく毎週園児が通っていて、それが多いところだと、ひとつのスイミングスクールと4~6つの園と契約している場合もあります。

なので、この記事に書かれていることに関して、今さら感が拭えなくもないのですが、こうやって表に出ることはなかった話なので、事情を知らない方々にとっては驚きかもしれません。

 

最後に

今回紹介した記事の中に、このようなことが書かれています。

指導面でも利点がある。水泳指導の最大の問題点は、危険性が高いことだ。新聞報道によると、日本スポーツ振興センターの統計で、2015年度までの18年間でプールの飛び込みが原因とされる事故が31件発生しているという。

リスクを減らすには、専門性の高いインストラクターが必要だが、その配置まで手が回らなかった。施設の外部化は、この問題を克服するチャンスでもある。

(文字の装飾を行っています)

確かにスイミングスクールのコーチは、学校の先生に比べれば、水泳指導の面において専門性が高いといえますし、自分も長年コーチをやってきたので、その自負を持っています。

しかし、悲しいかな現実はそうとも限らず、最近のスイミングスクールでは経験の浅いコーチを現場に投入する傾向にあります。

スイミングスクールも企業ですから、効率よく儲けるために人件費を減らすことを考え、水泳経験者に簡単な研修をしただけで一人前のコーチとして担当させているために、そのようなことが起こっているわけです。

なので『スイミングスクールだから大丈夫』とは思わずに、疑ってかかるくらいでないと、事故が起こってから責任のなすりつけあいに・・・って、考えすぎですかね?

 

 というわけで今回は、学校水泳がスイミングスクールに委託する流れのお話でした。

 

でわ、股!!

 

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