昨日、ファイヤープロレスリングワールド(以下、ファイプロW)の総監督である、松本ともぞう氏のお詫び会見が、ファミ通主催で行われました。
プロレスゲームとして1989年に生まれ、その後シリーズ化され、多くのプロレスファンを熱狂させてきたファイプロですが、リターンズを最後に新作の登場はありませんでした。
しかし13年ぶりにPS4での発売が発表され、その復活には多くのファンが歓喜したのですが、フタを開けてみると「クソゲー」の烙印を押されるほどの不具合が発生し、期待が大きかった分だけ落胆の色も濃く、罵詈雑言の声がSNSなどによって撒き散らされました。
今回のお詫び会見にいたる経緯は、ゲームにも登場するプロレスラーのタイチさんがSNSで噛み付いたことがきっかけで、ファミ通紙上で2人の対談が実現したあと、ファンの前で発言する機会を設けるという流れでの会見となりました。
で、この記事では会見のおおまかな内容と、それを見た個人的な意見を書いてみたいと思います。
ちなみに会見はYouTubeで見ることも出来ますので、お時間に余裕のある方は下記リンクにて、直接ご確認ください。
『ファイプロ ワールド』松本総監督 ユーザーの皆様へのお詫びとご報告【ファミ通】 - YouTube
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会見の内容
会見自体は15分ほど行われ、その主な内容を抜粋しています。
不具合への対策の現状
まず最初にこれまでに起きた3つの大きな不具合について、その対策と現状の説明がありました。
全体的なラグ&フリーズ
試合中に起きるラグについては現状改善済み、レスラーエディット中に起きるラグについては現在も改善中。
オンラインでのラグ
wi-fi同士だと起きやすく、現状のシステムでは完全に改善することはできないので、時間がかかっても普通に遊べるように、仕組みの見直しから行っていく。
セーブデータ消失
人数制限することで対応している。今後はハードディスクの容量で制限をかける仕組みにする予定。
開発会社の変更
現状では力不足であることは明白なので、新たな開発会社と手を組んで、新体制として11月より動いている状況である。
DLC(ダウンロードコンテンツ)の開発状況
現在3つのDLC(団体運営・ジュニアのストーリーモード・別のストーリーモード)の開発を進めているが、現状のクオリティーでは出せないので、団体運営モード年内の予定を来年1月に変更、ジュニアは予定通り2月に出す。
ちゃんとしてから出すべき(タイチさんの発言)
上記の発言から、ちゃんとしたモノが出来るまで、出すべきではない。
出すのであれば、みんなが納得できるものを出すべき。
オレは待つし、みんなも同じだと思う。
隠し玉の内容
隠し玉の内容は、技とパーツのエディットモード 。
ファイプロそのものをユーザーに渡すのが目標で、それをユーザー同士で共有できる仕組みを目指す。(SteamのワークショップやPS4のFPW NETを利用)
その他
上記は無料放送での内容で、その後の有料放送で、その後は有料放送がありましたが、それは見ていませんので、あしからず。
個人的な感想
上記内容の放送を見た、あくまでも個人的な感想をまとめます。
タイチさん優しい
タイチさんがSNSで絡み出したときから、「これはプロレスですね」と思った人は多いでしょう。なので悪態をついたり物騒な発言をしたり、ファイプロファンの溜飲を下げる役割を演じてくれていたことは明白で、今回の会見でもその役割を全うしてくれました。
もちろんそこは新日本プロレスとコラボしているという関係から、ビジネスの香りがプンプンしてきますが、それでもわざわざ生放送の会見に同席してくれたわけですから、やっぱり本当は優しいんでしょうね。
ちゃんとしたファイプロって?
ただ、それでも「?」なのが、「ちゃんとした・・・」という発言です。
もちろん言わんとすることは理解できるのですが、そもそもファイプロって、プロレスゲームとしては、ちゃんとしていません。(怒らないで最後まで・・・)
というのは、このゲームを素人が見れば、組んでしゃがんで技を出す、というシステム自体が「カクカクしているね」と思われて、受け入れられないのも仕方がありません。
現に世の中には、WWE 2K(エキサイティング・プロレス)という、非常にキレイで滑らかで、見ているだけでも楽しいのに、左右別のパーツまで再現できる凄いプロレスゲームが存在します。
それでもファイプロを選択するのは、もちろん懐かしいのもありますが、それ以上に「ちょっと足りない部分は想像で補う」という楽しみ方があって、それを望んでいる人がいるからだと思うのです。
自分が遊びたいレスラーの技がない。けれど、それを他のそれっぽい技でカバーして、脳内で変換して楽しむのが、ファイプロのそもそもの楽しみ方じゃないのでしょうか?
例えば先日、フリーで活躍するバラモン兄弟を再現しましたが、彼らの代名詞である「ボーリングでの股間攻撃」なんてあるはずも無く、寝ている相手への股間攻撃で、なんとかそれっぽく再現して、それをボーリング攻撃として脳内補完しております。
なので「ちゃんとする」こと自体は悪いことではないのですが、そこを気にしずぎると、出すものも出せなくなって、身動きが取れなくなるような気がするのです。
もちろん「ちゃんとした」という言葉の定義が、「不具合の無い普通に遊べること」ではあると思うのですが、どうしても気になりましたので、長文ながら書かせてもらいました。
前に進むための財源が心配
松本監督の発言はどれも前向きで、今後に期待する内容ばかりでしたが、あくまでも大人のビジネスの世界の話ですから、必ずそこには「お金」が絡んできます。
これが松本監督個人でやっていることであれば、「私財が尽きるまで!」ということになりますが、バックにはスパイク・チュンソフトという会社があり、いくら「やる!」といっても、バックの「ダメ」のひと言で前進はできなくなります。
と、そのようなことを思っていたら、同じことを考えられている方がおられました。
DLCが延期するのは全然構わないんだが、予算も無限じゃないし大丈夫なんだろうか・・・。そこが一番心配。#ファイプロ
— JUN (@jundoragon) November 13, 2018
激しく同意でございます。
隠し玉の技&パーツエディットは大歓迎!なのですが・・・
この隠し玉については、もう1年くらい前からネタが振られていたのですが、まさかこのような内容だとは思ってもおらず、かなり驚きました。
ゲームとして、今後永遠に開発をすることはできないでしょうから、ある程度のところで見切りをつけて、ユーザーに任せることで自己発電するようなシステムは、なるほどだと思います。
ただ、それほどのことまで考えている「松本監督のファイプロがやりたい!」ということも同時に思うのです。
リターンズを最後にファイプロの灯が消えたのを、何度も何度も会社に掛け合って、やっと復活させたのが松本監督です。
前述したように、世の中にはプロレスゲームとしてレベルの高い作品が存在する中、あえてファイプロを復活させるのは、相当の苦労があったと思います。
そして、やっと復活させたものの、フタを開ければ不具合の連続で、SNSでは罵詈雑言が歓喜の声を消していきます。
それでも全てを受け止めて、前に進む覚悟を決め、逃げずに会見しているのが松本監督です。
たぶん、効率とかを考えたら、他のゲームを作っているほうが楽でしょう。
それでもファイプロにこだわるのは、ファイプロとプロレスを愛しているからなのでしょう。
そんな松本監督のファイプロ愛は、誰にも負けないはずですし、誰も勝てるものではありません。
それだけファイプロを愛する松本監督が考えるファイプロを、遊んでみたいのです。
そういう意味で、技&パーツのエディットモードは大歓迎!なのですが、それと同時に松本監督の考えるファイプロが終わってしまうのでは?ということで「なのですが・・・」なわけです。
最後に
以前にも書きましたが、自分の場合はSteam版を長らく遊んでいますが、幸いなことに大きな不具合が生じることもなく、これまで遊んだ時間は3,500時間を超えました。
確実に今後も遊び続けますが、それは、例えそれが何らかのアップデートもしくはDLCが発売がなくても、という意味です。
もちろん、ゲーム自体が動かなくなるといった不具合はどうしようもありませんが、現状のままであれば、想像を膨らませればまだまだ遊べるはずです。
まだまだ再現していないレスラーは腐るほどいますし、過去に行われた、または日々行われる現実の世界でのプロレスの試合を、ファイプロ上で再現することも死ぬほどできます。
それを他人が楽しいと思うかどうかは知りませんが、自分は見ているだけでニヤニヤして、どういうけつ結末を迎えるのか?ワクワクしてしまいます。
偉そうな言い回しになるかもしれませんが、同じゲームでも「遊んでいる」と「遊ばされている」は違うはずで、他のゲームは知りませんが、ことファイプロに関しては、自分は「遊んでいる」側にいたいと思います。
というわけで、骨までしゃぶり尽くすつもりで、今後もファイプロを楽しみます。
でわ、股!!
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そんなファイプロのPC版は、以下のSteamの販売ページから購入できます。
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