漫画のタイトルも、どの雑誌に掲載されていたかも、いつ頃読んだかも、もちろん漫画家さんも、全て覚えていないのですが、とあるワンシーンだけ、いつまで経っても忘れられない漫画があるのです。
極道風な男性がひとりで喫茶店に入るが、刺されたか撃たれたか、脇腹には血がにじんでいる。
それを隠しながら席に座り、注文を聞きに来た女性店員にコーヒーを注文するが、運ばれてくる間に徐々に意識がもうろうとしてくる。
その男性は、自分が極道であることからいつも見られる存在で、見られることを意識して生きてきた。
一般人の世界では自分は異質だから目立ってしまう、そして好奇な目で見られている、そう思って生きてきた。
やばい、さらに意識が薄れてきた・・・
このままでは死んでしまう・・・
今ここで助けを求めれば・・・
きっと誰かが見ているだろう・・・
そう思って男は手をあげたが・・・
誰も見ていなかった。
(終わり)
なぜこの短い物語が忘れられないかというと、たぶん、自分(私)の中に自意識過剰な部分があって、太っているせいもあって見られていると思っていて、けれど実はそんなことないんだよ、誰もアナタのことは見てないよ、という戒めが描かれているような気がして、ずっと忘れられないのだと思っております。
そしてそう思っているから、長い時間をかけて記憶をよい具合に操作して、本当はそんな内容じゃない、というか本当にこんな漫画があったのかすら疑問ですが、最後の極道の男性が手をあげているシーンは、ハッキリと覚えているんですよね。
喫茶店でトレンチコートを来た男性が、苦しそうな顔をしながら手をあげるが、誰も見ていなくて、テーブルに突っ伏するの図。(下手でスミマセン)
というわけで自分も、長年の疑問をブログに書くという形で手をあげてみましたが、誰か見てくれているかなぁ。
でわ、股!!