魚のいないところに糸を垂らすおっさん
どこかの会社の入試問題だったか何だったか忘れましたが、このような問題(質問?)があります。
「魚のいないとわかっている場所で、魚を釣る方法は?」
たしか答えは「魚がいないとわかっているなら、そこで釣らないで魚のいる場所に移動する。もしくは魚が現れたら釣る。」で、要するに市場価値の低い分野に注力するのは無駄なので、別の分野に目を向けるか、やめてしまう。みたいなことです。
個人的には「「いかにして魚を釣るか?」が問題なのに、「釣らない」とか「移動する」ってズルくない?」と思うのですが、一休さんのとんちじゃないけれど、そういう発想を持たないと厳しい社会では成功しませんよ?ってな感じですかね。
この話を聞いたのは会社勤めをしていた頃で、いかにビジネスを成功させるか?に必死でしたから、素直に「ふむふむ、なるほどなるほど」と思っていましたが、こうして今、『あまり多くの人に読まれないブログ』や『あまり多くの人に観てもらえないYouTube』をやっているということは、魚のいないところで糸を垂らし続けているのだろうなぁ~と、思わずにいられません。
釣れないのにルアーを投げ続ける少年
会社勤めをしていた頃に出会った少年の趣味はルアー釣りで、糸の先に餌をつけてじっと待つ釣りではなく、疑似餌を投げて巻いてを繰り返す、割と忙しい釣りです。
で、話を聞くとほとんど釣れないそうで、特に初めて1年くらいは全く釣れず、今も何が悪いのかもわからない状態だそうです。
そこで前述の話を知る大人な自分としては、その少年に「魚のいない場所で釣りをしても時間の無駄だから、魚のいる場所に行った方がいいよ。」と、知った顔でアドバイスしようと思ったのですが、その少年は目をキラキラと輝かせながら、こう言いました。
「釣れないんですけど、ルアーを投げることが楽しいんですよ。」
本来、釣りの目的は「魚を釣ること」ですが、「ルアーを投げること」が目的となった場合、別に魚が釣れなくても楽しめるわけで、この少年の言ってることは決して間違っているわけではありません。
「しかし、やっぱり魚が釣れた方がいいのでは・・・」とは思うのですが、それを言ってしまうと嫌な大人になりそうな気がして、その言葉は胸にしまっておきました。
で?
ここまで書いておいてアレですが、この話にオチとか正解はありません。
ただ、それまで「魚のいない場所で釣りをするのは無駄!」と信じて疑わなかった自分は、少年の言葉に見事にひっくり返されて、何が正しいのかわからなくなりました。
正直、今でも魚が釣れる方が面白いとは思っていますが、それでは魚が釣れないとイライラして、何より少年のように目をキラキラ輝かせるどころか、逆に目が死んでいくだろうなぁ~と思います。
なので、ブログやYouTubeで大物が釣れなくても、釣ること=文章を書くことや動画を作ることを楽しめたら、それでいいじゃない!と思うようにしています。
それも割と頑張って。
ですが、それが正解ではないとも思いますし、例えば釣った魚を食べないと飢えて死んでしまうとなれば、すぐにでも魚のいる場所に移動するべきなことも理解できますし、う~ん、難しいですね~。(で、逃げておきます)
というわけで、そんなブログやYouTubeなのに、それでも観て読んでくださる方には感謝しかありません。
本当にありがとうございます。
あと、話の例えとして「釣り」が出ましたが、決してみなさんを釣ろうとか思っているわけではありませんので、ヨロシクです。
でわ、股!!