最近TVを観る時間がめっきり減りましたが、『オモウマい店』だけは毎週欠かさず観ています。
『オモウマい店』は全国のオモしろくてウマい店を紹介する番組で、基本は安くて大盛り料理を提供する店が紹介されるのですが、そこには必ず採算度外視で経営する店主がいて、例えば店の経営は赤字だけど値上げせず、その分アルバイトして赤字を埋めてでも経営を続ける店主とか、いつしかそんなパンチの効いた店主がクローズアップされるようになりました。
で、昨夜は過去に何度も登場している『夢の中ヘ』というスペゲティ屋さんが再登場し、そもそもは安くて大盛りのスパゲティを提供する店として紹介されましたが、取材中に店内のクーラーが壊れるというトラブルに見舞われ、いつしか「安くて美味い店」から「夏の暑いときにクーラーが壊れて大変だけど、それを乗り越えて無事クーラーがついた店」として紹介された、番組の中でも有名な店です。
その後、そんなトラブルを乗り越える店主を応援する意味も込めてお客さんが殺到し、さらに交換されたクーラーをスマホで撮るお客さんが現れ、それどころかクーラーに向かって手を合わせて拝むお客さんも登場し、それに乗っかった店主はクーラーを神棚のように飾り付けるまでに至りました。
そうして順風満帆に見えた『夢の中へ』ですが、なんと店の入っているビルのオーナーから老朽化を理由に退去して欲しいと言われ、店主は継続か撤退かを迫られることになり･･･というのが、今回の内容（の一部）でした。
（8月9日(火)18:59 終了予定）
さて、この番組のMCのヒロミさんは、番組の中でよく「TVのチカラって凄えな」と口にされます。
採算度外視で経営する店主がいて、それをTVで紹介することで（さらに）人気店となって全国からお客さんが殺到することに、「まだまだTVの影響力はデカいんだな～」と実感されたのではないかと思われます。
前述した例だけでなく、お店の赤字を埋めるためにウーバーイーツで働く店主の元にウーバーイーツで働く方がお客さんとして集まるようになったり、見た目は怖い親父さんがやってるそば屋さんにTVを観た若者が弟子入り志願の若者が現れたり、とにかくTVで紹介されなければ起きないような出来事が起きていますから、そう思うのも当然かもしれません。
で、自分もその意見に完全同調し、ときに涙しながら「うんうん」と頷いていたのですが、なぜか昨日は変なスイッチが入り、「ちょっと待てよ？」となりました。
当たり前ですが、TV番組は視聴率が絶対であり、どんなに面白くても視聴率が低ければ終わり、のはずです。
しかも、それが深夜の実験的な内容が許される番組であればいいけれど、19時のゴールデンタイムとなればなおさら、のはずです。
ということは、誰も知らないような店を紹介するより、すでに有名な店やスポットに密着する方が、数字に関しては確実では？と思うのです。
ところが、この番組はそんなことはお構いなし、しかもMCを務めるタレントが直接店を訪れることもなく、スタジオでVTRを見守るタレント陣に料理が運ばれることもなく、ただただ番組スタッフが手持ちのカメラで撮った映像だけで勝負しており、それで視聴率もそこそこあって、しかも店に良い影響を与えるなんて、どうなってんの？なわけです。
つまり、ヒロミさんの言う「TVのチカラって凄えな」は、TVを観た人が店を盛り上げるという意味で凄いではありますが、その裏には、TVの持つ感覚というか嗅覚というか編集力というか、とにかくそのへんのことを「凄い」と言っているのではないか？と。
近年、TV番組に対する規制はかなり厳しく、たぶん、がんじがらめ状態なのでしょう。
そんながんじがらめの状態でも、そこそこの視聴率を保ちつつ、世の中に良い影響を与え続ける番組を作るというのは、並大抵ではないはずです。
そういえば昨日の回でも、かなり大きなかき揚げを紹介するにあたり、番組のスタッフが箸で持ち上げ、それをカメラマンが撮影するだけなのですが、あまりにもかき揚げが重くて箸を持つ手がプルプルして、それをカメラマンが「腕がつるまで！」と応援し、他のスタッフも笑いながら「指トレ指トレ」と言うだけなのですが、これがなぜか面白いのです。
正直、なぜこれが面白いのか？、狙ってやったことなのか？、はたまた偶然撮れただけなのか？、素人の自分には全然わからないのですが、なんとなく、この番組が面白いのはこういうところではないか？とだけは思います。
つまり、これがヒロミさんの言う「TVのチカラ」なのかな？と。
ちょっと違う気もしますが･･･
というわけで、これだけは毎週欠かさず観ている『オモウマい店』。
来週は2時間スペシャルということなので、お楽しみに～！
でわ、股！！
