スイミングスクールに子どもを通わせる親は、ほぼ確実に「少人数」を好みます。
多人数だと危険だし、泳ぐ回数やコーチから直接教えてもらう回数が少なくなるのが、主な理由でしょう。
しかし、スイミングスクールを運営する会社は「多人数」を好みます。
少人数だと儲かりませんし、下手したら赤字→倒産だって起こりうることです。
長年この仕事をしてきましたが、両者の溝が埋まることはありません。
でも飲食店なんかは、行列ができる方が人気があったりするのにな〜、などと思うのですが、経済学や人間行動学に詳しいわけではないので、残念ながら自分には溝を埋めることができません。
さて、この両者の間に挟まれる形で存在するのが、実際に子どもを指導するコーチです。
このコーチが、「少人数」を望むか「多人数」を望むかは、そのコーチの経験によって違ってきます。
基本的には「少人数」でも「多人数」でも、指導した時間の分だけ給料が支払われるシステムなので、当然「少人数」の方が教えやすくて、気は抜けませんが、気楽ではあります。
しかし同じコーチでも、経営に近い立場だったり、数字に強く頭がよかったりすると、「少人数で大丈夫か?」と考えて、「多人数じゃないといけない」と思うようになります。
そうなると、本当は「少人数」がいいけれど、経営を維持するためには「多人数」じゃないといけないから、「多人数」での指導ができるように勉強したり考えたりするようになります。
しかしそこに気がつかないコーチは、何だかんだと理由をつけて、「多人数の指導はよくない!」などと言い張り、さらには「保護者目線で!」なんてことも持ち出します。
しかし、残念ながら、そういう考えのコーチは生き残るのが難しく、いつか若くて安く雇えるコーチに取って代わられます。
自分の場合は幸いなことに、前に勤めていた会社で現場責任者をやらせてもらっていたので、「多人数じゃないとまずいのでは?」と思うようになっています。
だからこそ、会社を辞めた今でも、それまで縁もゆかりないスイミングスクールで働くことができ、さらには多人数指導の考え方をレクチャーすることもあります。
もちろん自分だって「少人数」の方が気楽ですが、勤め先が潰れてしまえば、全てはパーです。
そうならないためにも、せめて自分だけは…と今日もプールで奮闘します。
でわ、股!!