どうも、マスクド・ニシオカです。
先日、このブログに水泳指導に関するコメントを頂きました。
コメントをいただいたのはスイマーさんで、その内容を要約すると、「スイミングスクールでは、どのようにグループを分けるのか?」ということです。
スイマーさん、コメントありがとうございます。
さて、頂いたコメントにもありますように、全国には腐るほどのスイミングスクールがあって、それぞれ考え方が違いますし、コメントに書かれた情報だけで断言することは難しいと思いましたが、せっかくコメントを頂いたわけですし、あくまでもこれまでの経験上、という逃げ台詞を用意させていただいた上で、スイミングスクールにおける子どものグループ分けの方法と、その他考えられることを書いてみます。
グループ分けの基本的な考え方
まず多くのスイミングスクールでは、子どもの泳力に合わせて級(もしくはレベル等)の指標を設けていて、それをグループ分けの絶対的な基準とします。
その基準を元に、あとは適正人数でグループ分けをするのですが、まずここでは基本的な例として、5~1級(1級が上)の子どもがそれぞれ5人ずついて、それを5つのグループに分ける方法を、その作業と共に説明します。
まず、各級の子どもの人数を書き出します
5級 5人
4級 5人
3級 5人
2級 5人
1級 5人
こういう風に書いたあと、これを5つのグループに分けます
5級 5人 (島坪コーチ)
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4級 5人 (田島コーチ)
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3級 5人 (村梅コーチ)
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2級 5人 (上井コーチ)
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1級 5人 (谷大コーチ)
こんな感じで線を引いて5つのグループに分けて、さらに担当コーチの名前を割り振っていきます。
もちろん、こんなに人数がキレイに揃うことはないですし、コーチの数が少ない場合もありますので、もう少し複雑にすると、こんな感じでしょうか。
5級 3人+4級 5人 (島坪コーチ)
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3級 12人 (村梅コーチ)
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2級 8人 (上井コーチ)
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1級 22人 (田島コーチ)
あくまでも適当な例ですが、基本的には泳力が低い子どもは溺れやすいので、そのグループの人数は少なくして、逆に泳力の高い子どものグループは人数を多くするという考え方です。
もちろん泳力が高いから絶対に溺れないというわけではありませんし、そのスイミングスクールの考え方として、ひとりのコーチが担当する子どもの数を少なくする『少人数制』を売りにしている場合などは、この例から外れるでしょう。
ここで説明した『級(泳力)と人数』でグループ分けをする方法は、同じくらいの泳力の子どもが多くなれば、指導がやりやすくなるという考え方を尊重しているからで、例えばクロールだけを練習するグループは比較的簡単に教えられますが、そこに背泳ぎも平泳ぎも加われば、当然教える方は難しくなり、教わる子どもも上手くなりにくくなります。
ちなみに、これを専門用語(?)で複合級レッスンなどと呼び、これができるコーチは指導能力が高いといえます。自分の過去の経験で一番の複合級は、水に慣れるために通っている子どもを抱っこしながら、他の子どもにバタフライを教えていたこともあります。(あくまでも極端な例で、ただの自慢です。フッフッフッフ)
スイマーさんのコメントから考える
さて、それでは基本を説明したところで、スイマーさんのコメントを振り返りつつ、考えを述べてみたいと思います。
たとえば水慣れ級のクラスの中には5級から1級まで階級があり
3つのグループに分けて練習を行っています。
そのグループ分けは5級から1級を混ぜて3つに分けられてます。
このコメントの最初の2行を読ませていただき、自分のこれまでの経験に当てはめてみると、5級から1級までの子どもを3つに分けるとするならば、こんな感じかな?ということです。(人数の情報がありませんでしたので、適当にしています)
5級 3人
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4級 3人
3級 3人
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2級 3人
1級 3人
人数のバランスは崩れますが、級を基準にするのであればこうなりますし、もし人数を均等にしたいのであれば、こんな風にもできます。
5級 3人 + 4級(泳力低め) 2人
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4級 1人
3級 3人 + 2級(泳力低め) 1人
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2級 2人
1級 3人
この場合、同じ級で練習場所が違うと、保護者からご意見を頂く場合もありますので、それを事前に見越して、保護者に(上手く)説明する場合もあります。
ところが最後の一行で、この考え方は覆されます。
たとえば水慣れ級のクラスの中には5級から1級まで階級があり
3つのグループに分けて練習を行っています。
そのグループ分けは5級から1級を混ぜて3つに分けられてます。
この最後の一行は、これまで書いてきた基本的なグループ分けの考え方をバッサリ切り捨てるかのようなもので、人数表で表すとこのような感じになります。
5~1級 (泳力低め) 5人
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5~1級 (泳力普通) 5人
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5~1級 (泳力高め) 5人
ええ~っと、これだと子どもに級をつけている意味がないのでは・・・?というのが率直な感想です。
しかし、もちろんスイミングスクールには独自の考え方がありますし、自分もそこそこの経験を積んでいますので、『他の何か』というキーワードから考えてみるといくつかの理由を思いつきました。
- 別にグループ分けをする指標(年齢やレッスン期間など)がある
- 『進級にこだわらない』という方針を持っている
- 級は関係ない(でも泳力でグループ分け)
まず考えたのが『別の指標』で、これは幼稚園が丸ごとやってきて指導を請け負う場合など、その幼稚園のクラスでグループ分けをしている場合がありますので、それと似た感じです。
次に『進級にこだわらない』という方針を打ち出しているスイミングスクールもあり、その場合、笑顔で楽しく練習することを大事にするために泳力を基準にしないでグループ分けを行う場合があります。
そして最後は、コメントをもう一度読み返すと『水慣れ』というキーワードがあり、そこから低年齢が参加するクラスと推測されます。そうなると、一応級をつけてはいるものの、それはあくまでも建前や仮の級であり、本当の実力を知るコーチがそれを基準にグループ分けしているのかな?などと思いました。
まとめ
今回頂いたコメントへの返答をまとめると、一般的には『子どもの泳力(級)と人数』(さらにいえばコーチの数と能力)でグループ分けが行われていますが、何か他の理由がある場合は、これに限りません。
ただ、スイマーさんのように、疑問に思うお客さんが増えることは、スイミングスクールとしては得策ではありませんので、『適当に決めている』ことは無いとは思うのですが・・・実際のところはわかりません。
最後に「スイマーさんへ」
繰り返しとなりますが、コメントを頂き、本当にありがとうございます。
スイマーさんの腹にスッと落ちる返答になっていればいいのですが、もし不明な点があればさらにコメントを頂ければ、わかる範囲で返答させて頂きますので、気軽に書いてください。
あと、これは別の話になるかもしれませんが、このコメントが気になりました。
子どもが通うスイミングスクールは、スポーツジム併設で厳しくないスクールです。選手クラスもありません。生徒も多く、あまり生徒ひとりひとりのことを把握しているような感じはしません。勝手な直感ですが。。
長年スイミングスクールでコーチをやっていると、この『子どもを見てもらっていない』という類のご意見が一番やっかい(失礼・・・)で、これを言われるとコーチは何も返せなくなります。
もちろん「いや、見ています」と返すコーチや責任者もいますが、そんなものは水掛け論であり、スイミングスクールをサービス業と考えた場合、そういった対応をするスイミングスクールであれば辞めてもいいかもしれません。
というのは、考え方として、お客さんにそう思わせた時点でコーチとしては『負け』なわけで、たとえ泳ぎが上手くならなくても、ちゃんと見てくれて指示を出してくれていれば、親として安心して任せられるはずです。(もちろん上手くなることがベストですが・・・)
だからコーチは必死になってキョロキョロして、例え人数が多くても子ども全員の行動をチェックして、サボっていたら注意する、頑張っていたら褒める、弱気になっていたら勇気付ける、そうやって小さなことを積み重ねる努力が、絶対に必要です。
ただ、残念ながら業界を眺めてみると、そういった考え方を継承する動きは少なく、企業として生き残るためにどうすれば儲かるか?と考えることが優先され、経験の浅いコーチが、とりあえず溺れないように子どもを教えている場合もありますので、仕方がない流れなのかもしれません。
しかし、実はその流れを止めるのは、スイマーさんのように疑問に思う保護者(お客さん)のひと言で、スイミングスクールとしては意外とそういったお客さんの意見を求めている場合もあります。(もちろん、そうじゃない場合も・・・)
確かにクレーマーみたいに思われるのはイヤですし、大げさにいえば子どもを人質に取られているわけですから、なかなか言い出しにくいとは思いますが、「ちょとした疑問なんですけど~」くらいの軽い感じで聞けば、意外な理由がわかるかもしれません。
で、もしわかったら教えてくださいね。
あと、ここまで書いておいてアレですが、もしかするとスイマーさんのコメントを何度も読んでちゃんと解釈したつもりですが、質問の意図を履き違えて、おかしな返答になっているかもしれません。もしそうであれば再び書かせて頂きますので、遠慮なくご指摘ください。
というわけで長くなりましたが、これを返答とさせて頂きます。
ご精読ありがとうございます。
でわ、股!!
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