どうも、マスクド・ニシオカです。
ネットでフラフラとしていると、このようなことが書かれている記事をみつけました。
「働き方改革」が叫ばれるなか、社員7人の町工場ながら「完全残業ゼロ」を続けている「吉原精工」という町工場がある。残業ゼロといったときに、残業代分の給料がそのまま下がる会社が多いなかで、同社は、社員の給料は全員が600万円以上(参考:全国平均年収約420万円/平成27年度 国税庁民間給与実態統計調査より)となっている。一方で、同社はリーマン・ショック以降、売り上げや利益を伸ばし続けており、「社員も会社も儲かっている会社」として注目されている。
- 倒産のピンチに社長自ら社員と同じ給料(30万円)に
- ブラック企業からホワイト企業へ
- 見せるための残業ならゼロにする「仕事が出来る人」=「早く帰る人」
- 無駄な会議や朝礼はしない
- 遅刻は評価に影響しない
- 社員全員が、年に3回10連休をとれる
よくあるといえばよくある内容で、もともと普通に残業をして会社を大きくしてきたけれど、バブルやリーマンショックで倒産危機を迎えたことで考え方を変え、社員の待遇を良くすることによって業績を上げ続ける会社の話です。
もちろんネット記事でみつけただけなので、本は読んでいませんし、記事で紹介されたことしか理解していませんが、こういう、会社のサクセスストーリー的な本が大好きなので、以前であれば速攻注文していたでしょう。
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会社にいるとわからないこと
就職して会社に入ってしまうと、世間との関係は薄くなっていきます。
異業種交流を盛んに行えている人であれば、他と比べて自分の会社(もしくは業種)はどうなのか?について考えることができますが、同業者としか交流がない、もしくは交流自体がない場合、比べることすらできないので、自分のいる会社がどうなのか?を計ることができません。
自分の場合はスイミングスクールという狭い業界で、しかも同業者との交流もそれほどしていなかったので、「会社というものは・・・」の基準が自分のいる会社でしかありませんでした。
なので、自分のいる会社=世の中の会社とは大げさですが、でも、それくらいに思っていました。
自社が当たり前と思い込まされる
会社が社員を洗脳しているというと言い過ぎかもしれませんが、全くしていないとはいえないでしょう。
自分が今でもハッキリ覚えているのは、会社勤めをしていたときに偉い人が「労働基準なんて守っていたら、中小企業なんて全部潰れる」と社員がいる前で堂々と言ったことです。
もちろんかなり昔の話ですし、それを鵜呑みにする当時の自分が世間知らずの馬鹿だったのですが、そのときは「会社の偉い人が言うことは正しいこと」と思っていたので、大きく頷いていました。
「そういうものだから・・・」と働く日々
話が前後しますが、自分がいた会社は、一度倒産した会社のメンバーで新たに立ち上げた会社です。前の会社は資金繰りがおかしくなって負債を抱えて倒産して、そのときの幹部たちが、新たに自分たち社員が路頭に迷わないよう組織をまとめてくれた会社です。
そういうこともあって、ピンチを救ってくれた偉い人の言うことはきっと正しくて、「中小企業なんてそういうものだから・・・」と思っていた自分は、残業も休日出勤も「そういうものだから・・・」と働いていました。
幸い仕事では、多少なりとも自分のやりたいことが出来る環境にあったので、残業も休日出勤も。有給?ナニソレ?となっても働くことが嫌にはなりませんでした。
山田昭男氏の本に出会う
残業や休日出勤は当たり前で、給料は普通(全国平均レベル)、有給なんてないけれど、それなりに好きなことはやらせてもらえる。
中小企業ならまだマシな方だと思っていた自分が、ある日一冊の本に出会います。
ホウレンソウ禁止で1日7時間15分しか働かないから仕事が面白くなる
- 作者: 山田昭男
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2012/08/10
- メディア: 単行本
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最初は何気なく「ホウレンソウ禁止って、おかしなことをいう人だ」と思って買いました。当時、ホウレンソウも会社では当たり前だと思っていたので、ホウレンソウ禁止に噛み付く気持ちで買ったと思います。
しかし、中身を読んで自分の中のワクワクが止まらなくなります。
「世の中に、こんなおもしろい会社があるのか!」
そして「中小企業なんだから、労働基準なんて守れない」としか教わらなかった自分が、初めて外の世界を知った瞬間でもあります。
このあとは想像通り、著者である山田氏の本を買い漁り、他にも経営の関するできるだけ難しくない本を読み、自分なりに勉強してそれを現場で出来る範囲で実践しました。
現場(スイミングスクール)の光熱費の削減目標を掲げ、それを達成できればアルバイトに時給という形で還元することを約束してみたり、自発的に意見を出してもらうために、どんな提案でも紙に書いて提出したら1件100円で買うと宣言してみたり、そのほとんどが本に書いていることの真似ですが、試すことに失敗はないと信じてやってみました。
大事なのは知ること
なんだかこうやって書くと、本で読んだことを実践して会社を変えれたような口ぶりですが、全くそんなことはなく、逆にやっていることが会社に褒められることもありませんでした。そりゃあ会社からしたら、わけのわからない、もしくは会社の考え方に造反する活動ですから、当然でしょうけどね。
ですが自分としては、そういう会社があるのを知ったのはとても有益なことでした。
たとえ中小企業でも、労働基準を守ってさらには儲けている会社が、少ないかもしれないけれど存在することがわかりました。ならば今は出来なくても、そこに向かって行けば、いつかたどり着くかもしれません。
まるで、今まで会社にいわれるがままに、何も考えずただがむしゃらに進んでいたのが、ハッキリとした目的地が見つかったような、山田氏の本との出会いはそんな気分でした。
最後に
最後までお読みくださりありがとうございます。
ここまで読んでくださったアナタが、自身が勤める会社に満足していれば、今回紹介した本はあまり必要ではないでしょう。
ただ、自分と同じように「中小企業なんて労働基準は守れない」と考えている会社に勤めている場合、この本にある会社がどうやって変わったのかを知ることは、きっと心の支えになります。
ちゃんと買っていないのにオススメするなんて言語道断のような気もしますが、幸いなことに自分は会社を辞めて好きなことをしているので、この本は必要ではなくなりましたので、あしからず・・・
でわ、股!!
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