どうも、マスクド・ニシオカです。
現在公開中の「アウトレイジ最終章」の宣伝のため、監督の北野武がTVに出まくっています。
その中でこのようなコメントをしていました。
「ヤクザの世界といっても、拳銃と暴力を除いてしまえば一般実社会の話になるんだよね。派閥や裏切りとか、いきなりとんでもない奴がコネでやってきたり、ちゃんとやってきた奴が理不尽に外されたり…。1本目は分かりやすいヤクザらしい話。2本目は人間関係。3本目は、完全に社会や組織のゆがんだ形の話になった。実際日本でもよくあることだよね。意識して作ったわけではないけど、そういうストーリーになった。しょせんヤクザも一般実社会と同じなんだってね」
その「アウトレイジ最終章」を映画館で観てきました。
感想的なものは、ここに書いております。
最終章を観る以前から思っていたことですが、最終章を観て再確認しました。
「会社を辞めて良かった」と。
アウトレイジ三部作の最初の作品「アウトレイジ」が公開されたのが7年前です。
7年前といえば自分はまだ会社にいて、それなりに真面目に働いていました。
しかし、会社との距離というか溝を感じており、会社を辞めようかな?という気持ちが芽生え始めていました。
そんなとき、同じ会社の同じ年の女性から「アウトレイジ」を観た感想を聞きました。
「うちの会社と同じだね」
既に観ていた自分も同じ感想だったので、大いに頷きました。
しかし、その同い年の女性社員は、その“アウトレイジと同じような会社”の中でどんどん偉くなっていきました。
つまり、ビートたけし演じる大友を選ばず、三浦友和演じる加藤の道を選んだようです。
アウトレイジを観たことのない方のために簡単に説明すると、大友は一匹狼タイプで、能力は高いけれど義理堅く、それを利用されて窮地に追いやられる。
逆に加藤は能力はそこそこだけど、偉い人に取り繕って上手い汁を吸うタイプ。アウトレイジのラストでは、部下と親分を撃って、全て部下のせいにして逃げ切る。
つまりその同じ年の女性は、会社が派閥や裏切りといった理不尽な世界だとわかって、その世界で偉くなることを目指したのです。
余談ですが、アウトレイジの続編「ビヨンド」で、加藤は大友にやられちゃうんですけどね・・・。
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前述した北野武監督が言うように、今作「アウトレイジ最終章」は、組織内での裏切りの連続です。
映画「アウトレイジ最終章」の内容の一部を会社で表現すれば、こんな感じです。
ただ、勘の鋭い方であれば、アウトレイジ最終章の登場人物を当てはめることが出来るかもしれません。
まだ映画をご覧になっていない方で、ネタバレを避けたい方は、あまり深く考えずに読み流された方が、よろしいかと思われます。
<会社版アウトレイジ>
コネでその座についた会長と、生え抜きで叩き上げの社長が対立する。
社長が邪魔な会長が、副社長に社長の座をチラつかせて、社長を失脚させるように焚き付ける。
会長の魂胆を知った副社長は話しに乗ったフリをして、社長を失脚するように振舞うが、社長を助けて失脚したかのように会長に報告する。
社長が失脚したことで磐石と思っていた会長だが、副社長だけでなく周りの部下も全て社長側に寝返って、最後は会長が失脚してしまう。
結局会社なんてただの組織で、その組織の中で利用するか利用されるかを凌ぎあっているような気がするのです。
もちろん、それは会社というモノの一部であって、全てがそうではないとわかっていますし、そういう会社ばかりではなく、ちゃんとした会社もあるのでしょう。
そして会社というのはお金を稼ぐところであって、お金を稼ぐことさえ出来れば、それで問題ないと思う人もいるでしょう。
ただ、少なからず自分がいた会社は、上辺だけではわかりませんが内容はアウトレイジそのものでした。
自分はそこそこ長く会社にいるので、自分の会社がアウトレイジなのは気付いていましたが、かわいそうなのはそれを知らずに会社を信じている若い人です。
知らなければそれで幸せなのですが、いつか自分が利用されていると気付いたり感じたとき、とてつもない喪失感に襲われ、最後には辞めていきました。
自分が会社を辞めたのは、会社に気付いてもらうためでも変えるためでもありません。
ただ単に、自分がアウトレイジな会社についていけなくなっただけです。
アウトレイジの登場人物でいえば、加藤より大友の方がカッコイイと思ったからです。
もちろん、現実には大友のようにかっこよくいきません。
会社をギャフンといわせるような、大成功を収めることもできません。
きっと会社にいわせれば、自分なんて「負け犬」と思われているのでしょう。
でも、自分は会社を辞めました。
そして会社を辞めて良かったと思っています。
アウトレイジ最終章を観て、改めてそう思いました。
でわ、股!!
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