タイガー・ジェット・シンが、何やら凄い賞(旭日双光章)をもらったそうです。
プロレス好きで、特に昔のプロレスが好きな自分としては、なんだか誇らしい気持ちになります。
タイガー・ジェット・シンといえば、超一流のヒール(悪役)レスラーで、アントニオ猪木のライバルとして新日本プロレスに登場し、ターバンを巻いてサーベルをくわえて観客の座る椅子を蹴散らしながら入場して、そして実際の事件として扱われそうになった『新宿伊勢丹襲撃事件』(猪木夫妻が路上で襲われた事件)など、とにかく本当に怖くて、本当に狂っているのでは?と思われた方です。
が、実はインドでは超がつくほど有名なビジネスマンで、インドの空港に到着してタクシーの乗り「タイガー・ジェット・シンの家まで」と伝えれば帰れる、と本人が自慢するほどの豪邸に住み、しかも慈善活動もしている、実はいい人なのです。
タイガー・ジェット・シンが実はいい人なのだと気付かれたのは、プロモーターとして全日本プロレスにブッキングをしたとき、ジャイアント馬場さんが可愛がっていたハル園田というレスラーの新婚旅行代わりに向かわせたら、その飛行機が墜落してしまい、そのことを報じるニュースにタイガー・ジェット・シンが沈痛な表情で登場してお悔やみを述べる姿に、あれ?実はいい人?となりました。
と、ここら辺はプロレスファンであればみんな知ってる有名な話で、しかも他にも実はいい人エピソードはたくさんありますが、それらを全部書くとなると大変なのでこの辺にさせて頂き、どうしても書いておきたい、自分が好きな話を書いておきます。
タイガー・ジェット・シンが入場するとき、それはもうエンジン全開で、扉を開けた瞬間から狂人ぶりを発揮するのですが、その扉の向こうはプロレスファンにはわかりません。
その扉の向こうについて、誰が語っていたかは失念して、ミスター高橋だったか田中ケロリングアナだったような気はするのですが、こう語られていたことは確実に覚えています。
他のヒールレスラーに比べ、タイガー・ジェット・シンは、控室で椅子に座ってじっとして、自分に語り掛ける時間を過ごし、たっぷり時間をかけて狂人になっていくタイプでした。
個人的に、この話が好きで、実はいい人なんだけれど、いい人だからこそ、そしてプロだからこそ、徹底的に悪いことをしないといけないわけで、それをサッとパッとやるわけでなく、じっくり時間をかけて自分に言い聞かせていたのでは?と想像すると、改めて、その偉大さがわかります。
というわけで、タイガー・ジェット・シンさん、おめでとうございます!
でわ、股!!