~これまで流れ~
元上司から仕事の依頼があり、そこで元部下のアイツが「かなりやつれている」と聞いてしまい、気になった自分は・・・(詳しくは下記をお読みください)
前回も書きましたが、正直アイツには嫌われている、とまでは言いませんが、決して好かれているとは思えませんので、例えこちらが「かなりやつれている」と聞いて心配して会いに行ったとしても、「何しに来たんですか?」と言われかねません。
なので、会いに行く理由もしくは言い訳が必要となります。
そこで、「地元のツレと飲むために久々に地元に帰るので、それならちょっと早く行って、ついでに(アイツのいる)現場に寄ってみた」からの、「地元のツレが来れなくなったので、仕方なく家の近くで飲んでいる」という、嘘と本当が混じりあったストーリーが完成しました。
途中で手土産を買い、現場に到着して、保護者を装って観覧席に立ち、アイツがプールで指導している姿を見つけ、さてどうするか?考えます。
このままアイツがプールから上がるまで待つか。
このまま手土産とメモを置いて帰るか。
しかし、会ったところで何を話すか思い浮かばず、逆に「何しに来たんですか?」と、言葉にはしなくても顔に書かれるような気がして、結局は後者を選びました。
もちろん、いくら元関係者といえども勝手に侵入したら怒られそうな気がするので、事務所の人に名乗り出て、用意していた手土産のひとつを渡してしばらくすると、オーナーが出てきて「ニシオカさん?」と覚えていてくれました。
そこで本当ならアイツに用意した理由を流暢に語り、「ちょっと近くに来たので・・・」感をアピールして、当たり障りのない世間話をして、もうこれ以上どうしていいかわからなくなったので、「あ、そろそろ時間なんで」と嘘をつき、もうひとつの手土産をアイツのデスクに置いて、メモに「近くに来たのでよらせてもらいました。ニシオカ」と書いて、出てきました。
たぶん、「相変わらず、字が汚いですね」と思われてるんだろうなぁ~とか思いながら。
というわけで自己満足ミッションが完成して、「家の近くで飲んでいる」の部分を本当にするために、10年ほど通っているけれど最近は全然通っていない、行きつけの店に向かいました。
すると、滅多にいないその店のオーナー夫妻が座っていて、偶然の再会を喜びながら飲んでいると、10年来の常連客だった方が、お亡くなりになられていたことを教えてくれました。
10年前、新しくできた店のカウンターに座った、お互い全く面識のない3人のおっさんが意気投合し、その店の3兄弟として、飲んで語って脱いで踊って騒いでまた飲んで、とにかく楽しい時間で、とにかくお互い損得勘定のない関係でした。
しかし、ここ最近連絡が取れなくなり、オーナーも自分も心配していたのですが、実は亡くなっていたそうです。
それを知ったオーナーが、常連仲間だった自分には連絡したつもりでしたが、動揺したのか「したつもり」になっており、つまり、今日自分が店を訪れなかったら、ずっと「どうしてるのかな?」状態だったわけです。
そこで追悼の意味を込めて、彼がよく飲んでいた焼酎を飲みながら、思いました。
やつれたアイツのことを心配して会いに行くために作った理由のおかげで、常連仲間の訃報をちゃんと知ることが出来たから、アイツには感謝しなきゃな。
もちろん、手土産代に交通費に飲み代と、貧乏生活の自分にとってはたくさんのお金が飛んでいきましたが、それ以上のモノが得られたような気がした。そんな一日でした。
でわ、また!!
タケさん!
先に天国に行って、おいしいお店探しといてね!
いつか行ったら、また飲んで語って脱いで騒いで、乳首吸わせてあげるからね!