46歳で退職してブロガーになってみた

働けおっさんブロガー

26年勤めた仕事を無計画に辞めたおっさんの生き様を綴る

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最後のレッスンのハナシ

クビ(契約解除)を言い渡され、最後の日を迎えました。

最後のレッスンは、自分が一番お気に入りのチビッ子(2~3歳が対象)クラスです。

もちろん最後だからと特別なことをするつもりはなく、いつもと同じように淡々と、子どもたちと保護者を楽しませるだけです。

しかし、そこに新規のチビッ子が、泣いてやってきました。

基本、月の最後に新規が来ることはないのですが、なんか家庭の事情があったのでしょう。

ただ、名簿に名前がなくて、いつ?フロントで手続きをしたのかはわかりませんが、その情報が届いておりません。

それを見た現場責任者が「サブコーチを付けましょうか?」と言ってきましたが、正直、そんな気を使うくらいなら事前にちゃんと情報が届くようなシステムを考えろ!、つまり「ちゃんと仕事せーよ!」と腹の中で思いつつ、その申し入れを拒否しました。

ただし、それは決して意地を張った訳ではなく、自分がチビッ子クラスを好きな理由は「ゼロ⇒イチ」、つまり、何も出来なかった子どもが何か出来るようになる、その瞬間に立ち会えるのが楽しくて、ここでいえば、泣いてやってきた子どもが笑って帰ることが出来たらミッションコンプリートなので、その楽しみを奪われたくないからです。

で、レッスンが始まり、ずっと泣いている新規の子どもを抱っこしながら、他に泣いているチビッ子の相手もして、しばらく時間がかかりましたが、泣いていた新規の子どもも泣き止みました。

そして最後の僅かな時間ですが、そのチビッ子が出来ること、もちろん泳ぐことも顔を水に顔を浸けることも出来ませんが、ひとりで水中(台の上)を歩くとか、プールサイドに登るとか、さっきまで泣いていたのはどこへやら、手を貸そうとしたら「いらない!」と言わんばかりにはねのけて、己の力でがんばっていました。

 

その昔、子どもが泣いてやって来ることは当たり前で、一緒に来た保護者の方に向かって脱走しようとするチビッ子や、抱っこするコーチに敵意むき出しで爪を立てて引っ掻いてくるチビッ子も珍しくありませんでした。

もちろん、それにめげないコーチもたくさんいて、そんなことをされても平気な顔をして、チビッ子の方が根負けするまで抱きしめ続けていました。

しかし、それを見た保護者の方が「今日はやめときます」と言い出し、コーチの方は「今日は無理しないでおきましょうか」と言い出し、泣いている子どもがやってくることは少なくなり、さらに泣いているチビッ子平気な顔で抱っこ出来るコーチも少なくなりました。

自分はその生き残りのひとりだと思っていて、今の現場で働くようになったとき、他のコーチが泣いているチビッコを扱いきれずに保護者に渡してしまうのを見て、「チガウデショー!」と憤っていました。

そして、その後、チビッ子クラス担当を志願して、そこからちょっとずつやり方を変えて、「こうすればチビッ子クラスでもここまで出来るんだぜ!」というのを、他のスタッフに見せてきたつもりですが・・・クビです。

しかし、泣いていた新規のチビッ子を笑って保護者の元に帰すことが出来て、他のチビッ子も笑ったサヨナラできたので、ま、それで十分ですかね。

 

というわけで、今後どうなるかわかりませんが、もしかするとこれがコーチ人生で最後のレッスンになるかも?と思ったりして・・・

しかし、そういう意味であれば、結構いい仕事でフィニッシュ出来たと思うので、満足しております。

 

でわ、股!!