昔、スイミングスクールを運営する会社に勤めていた頃、ベテラン女性コーチ、あるいは女帝、あるいは大奥、そんなイメージの先輩から、このようなテクニックを教わりました。
低年齢の子どもを笑わせるには、アゴの下をコチョコチョすれば良い
なんだか強引で無茶苦茶な話に思えますが、「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しい」という考え方の持ち主なので、強引だろうが無茶だろうが、子どもを笑わせることでレッスンの質が上がればそれでヨシ!となっていました。
で、このテクニックを実際に使ってみると、本当に笑います。
もちろん嫌がる子どももいますが、そういう場合は次からやらないようにして、それ以外の子どもだけ繰り返します。
さらに続けると子どもによって反応が違ってきて、コチョコチョされるのがわかっているのに近づいてくる子どもや、コチョコチョを要求してくる子どもまで出てきます。
そして驚いたのが、シャイでなかなか笑わなかった子どもにコチョコチョしたら今までに見せたことのない笑顔になったことで、それ以降、コチョコチョに対する信頼度はぐっと上がり、教えてくれたテルミさんに足を向けて寝れない…ことはないですが、感謝はしております。
さて、そんなコチョコチョを武器に戦う(レッスンをする)自分の前に、めちゃくちゃ可愛い子どもがやって来ました。
その可愛さはどのコーチが見ても可愛くて、その愛くるしい仕草も相まって、誰からも好かれる子どもでした。
しかし、捻くれ者の自分はそこは無視して、純粋にコーチとして上手くすることだけを考えて見てみると、その子どもがかなりの怖がりで苦手なことからはすぐに逃げるタイプの子どもであることがわかりました。
ははぁ〜ん、たぶん、これまでのコーチはあまりの可愛さにノックアウトされて、いいよいいよでチャレンジさせずに来た結果が、こうなってるんじゃないの?よし!自分は騙されない!ビッシビシ厳しくやってやるって!となりました。
もちろん出来ないことを無理矢理やらせることはしませんが、出来ることをやらないときは甘やかさず、たとえそれで嫌われようとも、その子どものためになると信じて決意しました。
で、そんな決意を持ってレッスンが始まりますが、いきなりビッシビシやっても怖がられるので、いつものペースでスタートして、いつものコチョコチョ攻撃を繰り出します。
すると子どもが…
「アゴがこわれちゃう〜」
で、すっかりノックアウトされましたとさ。
でわ、股!!