その昔、まだ会社員になりたてで、会社からもらったお金を右から左に使っていた頃、「お金は無いけれど、お酒が飲みたい!」という時期がありました。
といっても夜のお店でキレイなお姉さんを相手に豪遊するわけでなく、普通の居酒屋さんでビールを片手に男同士でワーワーいうのが楽しいだけで、話の規模はかなりしょぼいレベルです。
いまでこそ価格競争のおかげか、探せば安くビールを飲める居酒屋さんがありますが、当時は普通の値段で飲むしかないので、ビールに払うお金の額は変えられず、削ることも出来ませんでした。
ということは酒のアテになる料理の方をケチるしかなく、いかに安い酒の肴でたくさんのビールを飲めるか?、つまり、ちょっとのおかずでどれだけゴハンが食べられるか?に似た方向に進むことになりました。
例えばカニ味噌。
小鉢に盛られた味噌みたいな物体を、箸ですくいながら食べるのが一般的な食べ方ですが、それだとすぐになくなっちゃうので、以下のルールを設けました。
箸一本をカニ味噌に突き刺し、ひと回転して(ねじって)付いた分だけで、ビールを飲むべし!
ここで重要なのは「箸一本」であり、箸二本で手を付けた時点で「ルール違反だ!」とワーワー言いながら飲んでいました。
またはしそニンニク。
先に断っておきますと、しそ(紫蘇)は嫌いなのですがニンニクは大好きなので、ニンニク好きがしそ嫌いを上回った稀有な例でございます。(なんのこっちゃ・・・)
で、これも小鉢に盛られて出てくるのですが、普通に一粒ずつ食べるとすぐになくなってしまうので、以下のルールを設けました。
一粒をかじって何度かに分けて食べるべし!
もう、こうなるとゲーム感覚で、いかに一粒をかじり続けられるか?を競うようになり、またそれがアテになってビールが進む。というわけです。
先日、そんな自分が、何度か訪れたことのある立ち飲み屋さんに行きました。
当然ながら(?)「少ないアテでたくさんのビールを!」の精神は生きており、コストパフォーマンスの高いアテを探していると、「カニ味噌」に似た「ツナ味噌」(ツナと味噌を混ぜたもの)という一品を発見しました。
値段は200円で、そこそこの量(もちろん小鉢ではある)があり、それこそ箸一本で食べていたら無限に食べていられそうなので、まるで勝利宣言か、その立ち飲み屋さんを征服したかの様な気分になっておりました。
しかし、その浮かれ気分を打ち砕いたのが、下記の一品でございます。
そう、アジフライ。
ただのアジフライであり、特別なものではありません。
たぶん、どこの居酒屋にもある一品であり、食べても普通の味(普通に美味しい)です。
しかし、ちょっとした野菜とマヨネーズ、これが酒の肴として十分な戦力を持ち、つまりこの一皿に3品が乗っているわけで、これはなかなかのコストパフォーマンスを誇ります。
そして!
このアジフライの値段が!
150円なのです!
負けたー!!!!
という話を、20歳の若者に熱弁したものの、「へー」と言われて終わったので、ここに書いて憂さ晴らしをしておきます。
でわ、股!!