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ティップネスの溺水事故の内容と原因を公式発表から予想するハナシ

3月16日に起きた溺水事故について、ティップネスの公式サイトに事故の内容が発表されました。

【追加のご案内】川崎店キッズスクール再開にあたってのお知らせ | フィットネスクラブ ティップネス

そこで、あくまでも予想ではありますが、その文章から読み取れる現場の状況と、事故が起きた原因を考えてみたいと思います。

 

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公式発表(全文)

以下の文章が、ティップネスのサイトに公開されました。

会員の皆様へ

 3月16日ティップネス川崎店にて発生しました事故についてお伝えします。

1.事故の詳細について

3月16日(土)、川崎店キッズスイミングスクール・黄色級ボビング練習のクラスで、4才のお子様が溺れる事故が発生しました。

このクラスでは、コの字に水中ベンチを配置していましたが、スタート側の一辺の水中ベンチがゴール側より長くなっていました。コーチの背後に死角となるスペースが存在していました。このクラスには9名のお子様が参加されており、担当コーチは2名で運営していました。またプールサイドには2名の監視員が配置されていました。しかし、コーチも監視員も溺水に気付かず、そのままレッスンが継続されました。その後コーチが、お子様が1名足りないことに気が付き水中を捜索、コーチの背後に沈んでいるお子様を発見しました。発見後、プールサイドに搬送し救命処置を実施、救急車にて病院に搬送しました。

設置した監視カメラの映像による解析を試みましたが、カメラの台数・角度・画質の低さにより画像上では落水のタイミングを特定することができず、落水から引き上げられるまでの時間は現時点では把握できていません。

なお、当日は参観日で保護者の方がプールサイドにお越しでした。お母様は同時間帯の別グループに参加していたご兄弟の様子をご覧になっていたため、事故発生を発見することは不可能な状況でした。

事故の原因につきましては、現在も警察が捜査中ですが、いまだ特定には至っていません。

2.お子様の現在の状況について

現在もお子様は治療中です。

 弊社のキッズスクール運営に課題があったことを真摯に受け止め、再発防止に尽力するとともに皆様からの信頼回復に向けて努めて参ります。また、既にホームページ上でお知らせしました安全対策の徹底を図り、事故防止に全力で取り組んで参ります。

 

2019年4月2日

株式会社ティップネス

この文章については、スイミングスクールで働く方は理解できると思いますが、それ以外の一般の方だとちょっと難しいかもしれません。

そこで、あくまでも予想ですが、どういう状況だったのか?そして何が原因だったのか?を考えてみたいと思います。

 

その前に・・・

まず、この文章を読んで「事故の原因がハッキリと書かれていない!」とか「まだ隠蔽しようとしている!」という感想をお持ちになられるかもしれません。

確かにそういう気持ちになるのもわからなくもないですが、スイミングスクールで子どもが溺れるのはコーチが見ていないからで、コーチが見ていれば子どもが溺れても助けて、溺水事故は絶対に起きません。

つまり、誰も見ていないから溺れたわけで、誰も見ていないからどうやって溺れたか誰もわからないのです。

そこで監視カメラの画像を解析されたのでしょうが、残念ながら不可能だったということで、それを疑い出せばキリがありませんが、自分はそうではないと思っています。(もちろんティップネスの回し者でもございません)

 

事故時の状況

何度も申し上げますが、あくまでも予想ですので、事実と異なる場合があります。

で、公式サイトに書かれた状況(セッティング)を図にすると、こういう感じではないか?と想像できます。

このクラスでは、コの字に水中ベンチを配置していましたが、スタート側の一辺の水中ベンチがゴール側より長くなっていました。コーチの背後に死角となるスペースが存在していました。このクラスには9名のお子様が参加されており、担当コーチは2名で運営していました。

ここに書かれている「コの字」とは、足の届かない子どもが立てるように設置される「水中ベンチ」の置き方の通称だと思われます。

さらに「スタート側がゴール側より長い」とありますので、この2つの条件を合わせると、以下のような水中ベンチの置き方ではないか?と予想できます。(長方形の赤いのが水中ベンチ)

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*上記はあくまでも予想図です

 

子どもの流れ

次に子どもの流れですが、この「コの字」の配置の場合、上図の黄緑のルートを辿っていたのでは?と予想されます。

これは他の練習方法でも同じなのですが、スイミングスクールの練習の基本的な考え方は、水中ベンチのない、つまり足の届かないところをコーチが補助しながら進ませ、徐々にコーチの補助無しで自力で出来るようにしていきます。

ただ、このとき何の練習をしていたのかは触れられておらず、これも予想でしか書けませんが、「黄色級のボビング練習」と書かれているので、そこからティップネスの進級基準を見てみると、黄色級の目標が「伏し浮き・ボビング・けのび」とありますので、そのどれかだったと思われます。

しかし、詳しくは後述しますが、このとき何を練習していたか?はあまり重要ではなく、どの練習であったとしても事故は発生してたと思われます。

 

コーチの立ち位置

次にコーチの立ち位置ですが、これもあくまでも予想であり、もしかするとあてずっぽな意見となるかもしれません。

ただ、スタート地点とゴール地点にコーチが立つのが、スイミングスクールにおける基本的な考え方なので、図にある青い丸がコーチが立っていた場所では?と思われます。

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*上記はあくまでも予想図です

あくまでもスイミングスクールにおける一般論ですが、子どもの流れをコントロールするためには、スタートの合図が重要で、それで等間隔で子どもを動かすことが出来ます。

なので、スタート側にコーチがいて、そのコーチが合図を出すのと同時に補助をしながらゴールに向わせて、さらにもう1名のコーチがそれを受け止める、もしくはそれ以上行かないように制する役目をします。

 

事故の原因

さて、事故の原因についてですが、これもあくまでも予想です。

まず、コーチが2名いましたが、その両方ともが練習場所の中央に視野を向けていたと思われます。

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*上記はあくまでも予想図です

なので、ここで子どもが何の練習をしていたのか?は重要でなく、もし、ここで溺れたとしてもコーチが助けるでしょうから、何を練習していたか?は特に問題はありません。

しかし、この中央部以外の部分が死角になっていたのでは?と思われます。

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*上記はあくまでも予想図です

このコーチの死角となる場所に、何らかの形で子どもが行ってしまい、水中ベンチに戻ることが出来ず、それをコーチが気づくことが出来ず、それで溺れたのでは?というのが事故の原因と思われます。

ちなみに「子どもがコーチの死角に行く理由」については、いくつかの要因が考えられますが、子どもが方向転換をせず、そのまま進む場合があります。(下図の黄色線)

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*上記はあくまでも予想図です

しかし、決して「子どもが悪い」というわけではなく、こういった集中力が長続きしない子どもの行動を予想して、水中ベンチから落ちるのを事前に止めるのがコーチの仕事です。

 

補足(ピントを合わせれば視野は狭く死角が広くなる)

一般の方からすると、上記の説明や予想図などを見て、「何でコーチが見えていないの?」と思われるかもしれません。

これは同業者として、担当したコーチを擁護するわけではないのですが、子どもにちゃんと教えようとすればするほど視野が狭くなり、その分死角が広くなる傾向があります。

ある程度経験を積めば、ボヤ~っと全体を見たり、キョロキョロするようになり、さらにもう1名のコーチがその状態になっていたら、それに気が付いてカバーすることができるのですが、特に経験の浅いコーチなどはこのことに気が付きません。

残念ながら、これを改善するのは「他人の目」しかなく、現場の責任者や先輩コーチが指摘しないといけないのですが、この業界も人手不足であり、あまり厳しいことを要求すると辞めてしまうバイトも多いでしょうから、難しいところですね。

もちろん、人の命にはかえられないのですが・・・

 

最後に

ここまで書いた事故の予想が合っているかどうかはわかりませんが、確実なことは「誰も見ていなかった」ということであり、いくつかの要素が絡まって、そういう時間(場所)が生まれてしまったことが、事故の原因で間違いないでしょう。

今後同じように事故が起きないようにするには、もちろんコーチや監視員の人数を増やすことも有効なのですが、それ以上に、コーチの見る能力(意識)を上げないと、再びどこかのスイミングスクールで、同じような事故が起きるのでは?と思います。

もちろん、自分もコーチをしていますので、決して他人事とは考えず、今後も気を引き締めて参ります。

 

そして最後に、公式発表によると事故にあったお子さんは現在も治療中とのことですので、一日も早い回復を願っております。

 

でわ、股!!

 

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