46歳で退職してブロガーになってみた

働けおっさんブロガー

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クロールのバタ足が悪者っぽく見えるニュースのハナシ

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どうも、マスクド・ニシオカです。

先日、このようなニュースを見つけました。

水泳のクロールで速く泳ごうとすればするほど、キック動作(バタ足)は前に進む力に貢献しにくくなる――。こんな研究結果を、筑波大と東京工業大の研究チームがまとめた。

https://www.asahi.com/articles/ASL732TJ1L73ULBJ002.html?ref=yahoo

水泳に興味のない方には「へぇ~」くらいのニュースですが、長年スイミングスクールでコーチの仕事をしている自分にとっては、スルーできない内容でございます。

もちろん偉い先生の方々がちゃんと研究して出した結果なので、それに対していちゃもんをつけるようなつもりもなく、コーチとすれば納得の内容なのですが、物事をひねくれて考えるタイプの自分としては、ちょっとひと言物申したくなったので、書いてみます。

 

わかってた

そもそもクロールのキックが前に進む力に貢献していないことは、わかっていました。

こんなことをいうと真面目に研究されている方を馬鹿にしているみたいですが、単純に考えて、キックだけで進むスピードと、手で水をかいて進むスピードを足しても、その合計値にはならないからです。

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さらに水泳の4種目は全て『前輪駆動』で進むという考え方があり、いくらキックをがんばってもプルがダメなら速くなれないという理論があることも、「わかっていた」といわしめる理由です。

 

じゃあキックはいらない?

ところが実際の練習では、キックに多くの時間が割かれます。

それはタイムを縮めるために日夜がんばる選手やマスターズスイマーだけでなく、まだクロールが泳げない子ども達が、プル(手の動かし方)よりもキック(足の動かし方)を先に学ぶことからもいえることです。

もちろん今回紹介した記事にも、『振れ幅の小さい、しなやかなキックを打ち、水をつかむ上半身の技術を磨くことがタイム向上につながるだろう』と書かれていますので、決してキックが不要なわけではありません。

しかし、この記事のタイトルがこうなっているのです。

『クロールのバタ足、速くなる効果なし むしろ水の抵抗増』

もし自分が子ども、しかも毎日キックの練習が嫌で嫌で仕方のないクソガキなら、このタイトルだけを見て中身はちゃんと読まずに、「キックの練習やらなくてOK!」と雄たけびを上げるはずです。

もちろん良い子はマネしちゃいけません。

 

キックが一番難しい練習

記事には「しなやかなキックを打ち・・・」と書かれていますが、それが出来れば・・・と全世界のコーチは頭を抱えているでしょう。(自分だけかも・・・)

というのは、しなやかなキックを打つためには、太ももからムチのよう足を動かす必要があるのですが、これが長年コーチをやってきて本当に伝えるのが難しいのです。

普通に考えれば簡単そうに思えることですが、シンプルだからこそよけいに一番難しいことではないかと思っています。

もちろん伝える相手が子どもで理解力が低い場合もありますが、相手が大人でもそれは同じで、足を持って動かして体で説明しても、できるだけわかりやすい言葉を使って説明してみても、どうにもズバーーン!と決まったことはありません。

恥ずかしながら「ええ!?30年近くコーチをやっていてそれかい!?」とお叱りを受ける覚悟で書いております。もちろん「こうすれば・・・」的な理論を持っていはいますが、それで即解決というわけでなく、現在も模索中なのでございます。もし本当に即解決の方法があるのならば、教えてほしいくらいです。

 

キックは悪者ではない

前述したとおり、今回紹介した記事を全部読んでいただければ、キックが不要ではないことがわかるのですが、自分のようなひねくれた人間の場合、『クロールのバタ足、速くなる効果なし むしろ水の抵抗増』のタイトルだけだと、キックが悪者になりかねないのでは?というのは考え過ぎ、いや、ひねくれていますか?

なので研究結果に文句をいうつもりもありませんし、というかそれ以前に知っていましたし・・・なのですが、このタイトルだけだと、そうなっちゃうのでは?と思うのです。

確かにキックは抵抗を生みますし、その労力の割には進む力のプラスにはなりません。その証拠に、キックが下手くそでプルブイを挟んでプルだけで泳いだ方が速かった、自分のような例もあります。

しかしキックは不要ではありません。

その理由は専門的になりすぎるので書きませんが、そうでなければ、長年やってきたコーチが一番難しいと考える練習を、わざわざやるはずもありません。

正直、教える側としても「キックは不要」となって教えなくて済むなら、どれだけ楽か・・・と思うくらいですので、やっぱりキックは必要で悪者ではありません。

 

マグロ先生も証明してくれています

マグロといわず魚には手がありませんからキックだけなのですが、水中を速く進むことができるのは、理論的に正しいキック(動き)が出来ているからです。

進むのが速い魚の代表格であるマグロの動きは、尾びれを細かくしなやかに動かしています。もちろん人間にこれと全く同じ動きはできませんが、脳に記憶させてイメージするには良い材料になります。

というわけで、最後にマグロ先生の泳ぎを見ながら、お別れすることにしましょう。

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でわ、股!!

 

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