どうも、マスクド・ニシオカです。
プロレス好きの方ならご存知でしょうが、ここ最近プロレスラーが試合中、もしくは試合後に体調を崩して緊急手術や入院などといったことが増えています。
元横綱でプロレスラーの曙太郎(47)が福岡県内の病院に緊急入院していることが15日、分かった。関係者によると、11日に福岡県内で行われた試合後に体調の異変を訴え、救急車で搬送された。当初は10日間ほどで退院できる見込みだったが現在は薬で眠っている状態という。懸命の治療が行われており、家族が病院に駆けつけ、回復を祈っている状況だ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170415-00000314-sph-soci
新日本プロレスの柴田勝頼(37)が前日(9日)の両国国技館大会後に硬膜下血腫が見つかり、緊急手術を受けていたことが10日に発表された。
柴田は同大会でIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカに挑戦。強烈なヘッドバットを繰り出すなど、38分を超える壮絶な打撃戦の末に敗戦を喫した。激闘のダメージが色濃く、退場途中で倒れた柴田は、控室に戻ることもできずに救急車で病院に搬送されていた。
3月3日沖縄大会の試合中のケガにより、試合後に病院に緊急搬送された本間朋晃選手に関しまして。
病院での診断の結果、頚椎の負傷によりドクターストップがかかり、3月6日大田区大会を含む、以降の試合を欠場することとなりました。なお、今後の復帰時期は未定となります。
本間、柴田と続いた時点で書こうかと思ったのですが、何となくキーボードを叩く気に慣れず、静観を決め込んでおりましたが、曙のニュースを見つけて書くことを決意しました。決意なんて大げさなものではありませんが。
プロレスとは魅せるもの
昔からプロレスを見ている自分としては、やっぱりガチンコのバチバチやりあう試合が見たいと思うものです。
それほど大きくない会場に行って、レスラー同士がリング上で対峙して、観客に向かって「シー!」と口に指を当てるポーズをして、相手レスラーに頭突きをかまして「ゴツッ!」という鈍い音が聞こえてくれば、やっぱりプロレスラーってスゲエ!と思ってしまいます。
じゃあ、プロレスって相手を一方的にメッタ打ちにすればいいのか?となると、そうではありません。年間100を越える試合を行うプロレスラーがしょっちゅうケガをしていたら、試合に出場することが出来なくなります。
相手を攻撃しますが、ケガをさせてはいけないというのが、プロレスラー同士にある約束事であり、それが下手なレスラーはロッカールームで他のレスラーから制裁を受ける、なんて話も耳にしたことがあります。
かといって観客にバレるような攻撃だと、観客がしらけてしまい、わざわざ会場に足を運ぶことがなくなってきます。
例えばチョップで相手レスラーの胸に「バチーン!」とやったら、観客には痛さが伝わります。確かにチョップを受けたレスラーは痛いのですが、関節や急所ではないので大ケガには至りません。
ですが攻撃するレスラーがキックをしたときに、自分の太ももなどを「パチーン!」と手で叩いて音を出していて、それはキックが凄いダメージを与える攻撃だと観客に思わせるためで、普段プロレスを見ない一般の方はご存じないことかもしれません。
プロレスは、そうやって観客に「痛そう」とか「効いてそう」と思わせながら、自身や相手はケガをしてはならない、そして多いときは何万人という観客を、立った3人(レフェリー含む)で興奮させたり感動させて、魅了しないといけないのです。
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プロレスとは受けてナンボ
基本的にプロレスは相手の技を避けてはいけません。避けてしまうとケガをすることがあるからです。
しかし、先日このブログでも触れましたが、ザ・グレート・カブキが書いた本の中に、このようなことが書かれていました。
試合中、相手レスラーが下手で、背中の急所に蹴りを入れてきたときには、痛くて体が痺れる。そんなときにはやった相手に同じところを蹴ってやって、その痛さを教える。それが練習中では出来ない、試合で出来るプロレスの指導だ。
(原文ではなく記憶に基づいて書いています)
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相手の攻撃を避けずに受けるプロレスラー同士は、相手を信用しないと試合が成り立ちません。相手の攻撃がケガをしないものと信じて受けるわけで、受けてケガをするなら、受けずにこちらが一方的に攻撃すればいいだけです。
しかし、それでは試合が盛り上がりません。相手の攻撃を受けて観客を煽り、それをやり返すことでさらに観客がヒートアップし、会場を盛り上げることが出来るのです。
中邑真輔のコメント
他のプロレスファンが書くブログなどでも取り上げられていますが、新日本から旅立ちWWEで活躍する中邑真輔が、このようなコメントを出しています。
日本のプロレスのスタイルというか、トレンドが危険な技の応酬になったところで、本間さんしかり、柴田さんしかり、重傷者が出てきているので、考えたり、変えていくことが必要な時期なんじゃないかと思う。柴田さんの受け身は心配なところだったんですけど、まさかこんな形で、というのはありましたね。100%がっつり受けてからバンプ(受け身)を取る。各レスラーも危険な技だったりとか、リスクを顧みない試合についてもう一度考える時期だと思う
個人的には中邑真輔はそれほど好きなレスラーではありませんでしたが、観客を魅了するという意味では十分な価値があるから、WWEのマットに上がることも出来ているのでしょう。
その中邑真輔が日本プロレスについて、「考えたり、変えていくことが必要な時期なんじゃないかと思う」とコメントしています。中邑真輔のファイトスタイルも頭部に膝蹴りを叩き込む、そこそこ危険なものだと思うのですが、それでも「変わることが必要」と思っていて、実際危険な技じゃなくても観客を魅了することに、自信があるのではないでしょうか。
危険度の少ない技で観客を魅了出来るか?
自分は昔のプロレスも見てきたので、パンチとキックだけで試合を行うスタイルも知っています。危険な技どころか後頭部にダメージを与えるシーンも少なく、ジャーマンスープレックス1発で試合が決まることなんて、当たり前のことでした。
それを観客が求めたからなのか、プロレスラーが応えようとしたからなのか、どんどん危険度が増し、後頭部にダメージが残るような攻撃が、試合中になんども行われるようになりました。
問題は一度そうなってしまった流れの中で、プロレスラーは危険度の少ない技だけで試合を組み立てられるのか、それを見た観客はどう思うのか、ではないか?と思うのです。
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小橋建太 vs 佐々木健介
もう10年以上前の試合ですが、東京ドームで行われた小橋建太 vs 佐々木健介の試合で行われた、壮絶なチョップ合戦が当時話題になりました。この試合ではチョップ合戦以外に危険な技も出ているので、危険度の少ない技だけで組み立てられた試合ではありませんが、チョップだけで観客を魅了していたことは間違いありません。
プロレス 2005.7.18 小橋建太 vs 佐々木健介(完全版) Kenta Kobashi vs Kensuke Sasaki - YouTube (ちなみにチョップ合戦は19分ころから)
もちろん試合後、お互いの胸は赤を通り越して紫色に腫れ上がり、ミミズ腫れから出血していたともいわれます。ダメージがないとはいいませんが重傷ではありません。
PRO-WRESTLING NOAH DESTINY2005 7.18東京ドーム大会 全試合収録版 [DVD]
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最近のファンはどう思うのか?
本当に失礼を承知でいえば、最近のプロレスファンがイケメンレスラーを応援したくて、試合の組み立てや技の技術うんぬんはどうでもいいのなら、危険度の少ない技でもファンが離れることは少ないのでは?と思うのです。
なにもプロレスはリング上で行われることが全てではありません。それが証拠に内藤哲也が、リング外の話題で多くのファンから声援を集めています。(もちろんリング上も凄いですよ)
もちろんここ一番というときにはビシッと技を決めて、観客を納得させないといけないでしょうが、危険度が高い技を連発しないことで、選手生命も延びるのではないでしょうか。
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最後に
個人的に思うのは、昔に比べると「じっくりとした技の攻防」というのが少なくなったと思います。理由は単純で、観客から見にくいとか理解されにくいとか、そういうことでしょう。
チョップ合戦だけでなく、手を組んでの力比べや寝技の攻防、バックの取り合いやロープワーク、相手にダメージを与えなくてもプロレスのおもしろさを観客に魅せる方法はいろいろありました。
そういった過去のやり方が古いというならば、また新しく考えればいいのです。それが世界で認められるレスラーになった中邑真輔のいう「もう一度考える」なのでしょう。
プロレスファンとして、熱くなる試合を見せて欲しいとは思いますが、ケガをしたり動けなくなるのは見たくありません。今後も魅せてもらえることを期待しています。
でわ、股!!
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