泳げればカッコイイと言われるバタフライ。
難しいと思われるバタフライ。
実は簡単なんですよバタフライ。
実は難しくないバタフライ
泳げない人からするとバタフライって上級者がやる泳ぎ方で、クロールがやっと泳げる人などは自分にはまだまだと敬遠されるかもしれません。しかし、実はバタフライって単純な泳ぎ方でして、きちんとした平泳ぎを覚えるよりも簡単かもしれません。
バタフライが難しいと思うのは両手を上げることでしょうか
水泳の4種目のうち両手を同時に水面上に上げる必要があるのはバタフライだけです。バタフライを泳いだ事のない人は両手を同時に水面に上げることが難しい泳ぎだと思う理由か、それかそんなレベルではなく基本的なことからわからないか、そのどちらではないかと思います。
あくまでもひとつの覚え方です
水泳以外でもスポーツの世界では型の完成形に辿り着くまでにさまざまなルートがあり、それは日々新しいものが考えられています。自分がここで説明するやり方はあくまでもひとつの方法であり、他の理論がいくつもあります。最初にお断りしておくのはこのやり方で上手くいかなければ、こだわらずに他の方法を試してみることです。
スポーツのコーチというものは、本来教える対象となる人の能力を見てどのやり方がベストか考え、必要によって途中で方法を変えてその人に合ったカリキュラムを組むものです。正しいやり方というのは覚えようとする人に合ったやり方で無ければなりません。
ですので、これから説明することについては何の保障もせず一切の責任も追いません。あと、当然ですが浮かぶことが出来ない人や水に顔を浸けられない人には難しいでしょう。
バタフライを泳ぐ為のポイントを先にまとめてみる
細かいことを書くときりがないので、3つだけ覚えると良いでしょう。まずは言葉で説明をしておきます。あとで図で説明します。
- 足(キック)は最初無視する
- 手だけで泳ぐイメージにする
- タイミングと体のラインが命
足(キック)は無視する
多くのスイミングスクールではすべての泳ぎ方を足から教えます。クロールはバタ足から、背泳は背面キックからといった具合です。バタフライも同じでキックから教えるところの方が多いと思います。しかし、バタフライは1回手を回す間に2回キックをするという複雑さがあります。実はこれを覚えてしまうと上手く体のラインを作れなくなる可能性がありますので、今はキックは必要なしとします。
手だけで泳ぐイメージにする
陸上に立って、手を前から両手同時に腕を伸ばしたままで動かして、太ももを親指で触れたら横に広げるようにして、肩の高さまで来たら前に戻す。これが基本の動きです。陸上でそれがスムーズに出来れば大丈夫です。細かいことは自然に出来ます。
タイミングと体のラインが命
このやり方では、このタイミングと体のラインがバタフライを覚える為の重要な部分となり、その大部分を占めます。手と足を正しく動かせるようになっても、これが出来ないとバタフライを泳ぐのは難しいと思ってください。
図による説明①
まずはイルカジャンプが出来るようにしましょう。
- プールに立って
- プールの底蹴って底に向かって潜り
- ぐいーっと体を反らして上に向かってきて
- 体を真っ直ぐにして水面に向かう
絵がアレなもんで勘違いされるかもしれませんが、これはプールサイドから飛び込んでいるのではなくプールの中に立っている状態がスタート地点です。
注意する点
- 手をかいたらダメ
- 足はバタバタしたらダメ
- 最後は水面に手の先から出る
多くの人が浮かんでこなくて我慢できずに手をかいてしまいますが、これを我慢できるかどうかでタイミングに関わってきます。足も動かしたくなりますが今は我慢です。最後に水面に浮かんでくるときに背中から浮かんでくるのは、最初に底を蹴る力が弱いか体を反らすのが遅いかどちらかです。浮いてこないのは息を吐いてしまっているか吸っていないかのどちらかで、人間息を吸って止めていれば必ず浮かんできます。
図による説明②
①の動きがきちんと出来なくて②をやっても構いません。
- 水の中にしゃがんで水面に手を向けて潜る
- プールの底を蹴りながら手をかいて水面から飛び出る
角度は垂直ではなく斜め45度くらいでいいでしょう。水面から飛び出たときに頭と肩が水面より上に出れば問題ありません。
注意する点
- 強くジャンプしない
- 手のひらを下にして手を動かしたら親指で太ももの外側に触れる
- 手をかき終わったと同時に水面に出るタイミングにする
タイミングが悪いと水面から飛び出してから手をかいたり、手をかいたのにまだ水面から飛び出なかったりしますので、タイミングが合わない場合何度も繰り返します。簡単にいうとモグラ叩きのモグラになったつもりでやれば良いだけです。簡単でしょう?
図による説明③
図①と②を合わせたものですがこれをつなげる感じにします。つまりこうなります。
- プールに立って
- プールの底蹴って底に向かって潜り
- ぐいーっと体を反らして上に向かってきて
- 体を真っ直ぐにして水面に向かって
- 手をかいて水面に顔と肩が出るようにします
注意する点
- 足はキックしない。まだ我慢する。
- イメージは輪っかをくぐるイメージ
- 最後は手を伸ばし決して曲げない
- 手をかいたときに下を見ないで前を見る
感単に考えれば、水中に立っているところから一度潜って浮かんできて、斜めに向かったときにタイミングを合わせて手をかきます。手をかいて水面から軽く飛び出して頭と肩が出れば合格です。
図による説明④
①~③までが、ある程度出来ていれば構いません。ここではしゃがんで底を蹴って手を動かしていたところからはじめます。
- 水の中にしゃがんで水面に手を向けて潜る
- プールの底を蹴りながら手をかいて水面から飛び出る
- 水面に頭と肩が上がっている間に
- 前に両手を同時に伸ばして前に戻す
簡単に考えればタイミングよく水面に飛び出したら手を前に戻すだけです。絵のせいで水面から体全体が飛び出ているように見えますが、実際には体のほとんどは水中にあると思ってください。
左上から右下のコマに続きます。
注意する点
- 肘を決して曲げない
- 手は水面スレスレで良い
- あまり高くジャンプしない(肩が水面上に出るくらい)
ここまで練習してタイミングさえ合っていれば水面から飛び出して手を前にするのはそんなに無図書く無いはずです。上手くいかない場合はタイミングを変えてやってみてください。
図による説明⑤
今度は、先程のイルカジャンプから手をかいて前に戻すところまでやります。
左上から右下のコマに続きます。
- プールに立って
- プールの底蹴って底に向かって潜り
- ぐいーっと体を反らして上に向かってきて
- 体を真っ直ぐにして水面に向かって
- 手をかいて水面に顔と肩が出るようにします
- 水面に頭と肩が上がっている間に
- 前に両手を同時に伸ばして前に戻す
これまでの応用となりますので注意点も同じです。ここでもタイミングが合うかどうかが問題です。タイミングが合えばそんなにがんばらなくてもここまでは出来るはずです。ここまでは・・・。
図による説明⑥
さて、ここからがバタフライが出来るかどうかの最大のポイントです。まずはどうしようもない絵をご覧ください。すでに手をかいて水面から飛び出してくることは(出来ていなくても)理解されていると思います。なのでポイントは手を前にしたときにグイっと潜ることです。
- 手を後ろまでかいて水面に肩まで上がる
- 手を前にする
- 手を前にするのと同時に頭も突っ込んで潜る
- 潜れたらイルカジャンプと同じ状態になる
- 再びぐいっと上向きになって
- 手をかいて
- 前に戻す
- 以下繰り返し
左上のコマから右上のコマに続きます。
注意する点
- 最初は潜れなくても良い
- 潜れなかったら両足をそろえて足の甲で水を抑えるようにキック
- 手の勢いも大事だが腹筋を意識すれば潜れる場合もあり
実はバタフライが本当に難しい理由は、この潜る部分にあります。本当は手を上げることより潜れるかどうかにかかっています。それとキックについては全く説明していませんし手だけで泳ぐイメージでしたのでわかりにくいと思います。そこで動画を貼っておきます。
この動画を観るポイントとしては以下のようになります。
- 前の手がどこでかき始めるかをチェック
- 手が前に行ったときにどうやって潜っているかチェック
- 手が前に行ったときの足の動き(キック)をチェック
水中ではないので少しわかりにくいですが、ここまで説明してきたタイミングで泳げていると思います。この動画で泳いでいる子どもは決して力で泳いでいません。しっかりと前で手を止めて体が上向きになるのを待ってから手をかいて、手が前に行ってから頭を突っ込んで潜っているのがわかります。
ちなみに他にもバタフライの動画はたくさんありますが、ここまでの説明のイメージとは違う泳ぎ方ですのでヒドイ絵で説明してきました。
まとめと補足
- イメージは波を描きながら水中を進む
- 上級者は水平に近く初級者は大きくうねる感じ
- 手を使って泳ぐイメージ
- キックは潜るために使う
- 呼吸は毎回するほうがわかりやすい
- 水をかくのは台に登るのと同じイメージ
注意
本来バタフライは1回手を動かして2回キックが基本です。(動画にて確認出来ます)しかし、ここではそれを無視して体の動きを優先しています。慣れてきたらキックの練習をして進むことが出来ればさらに泳ぎやすくなります。
最後に
バタフライはコースの幅を占領してしまうので、他人と接触などトラブルにならないように気をつけてください。ある程度泳げるようになれば参考になる動画をみてもっと上手に泳げるようにチャレンジしてみてください。ここまでのご精読ありがとうございます。
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