どうも、マスクド・ニシオカです。
先日、読者様からアマゾンのほしい物プレゼント経由で、本が届きました。
『週刊ファイト』とUWF 大阪発・奇跡の専門誌が追った「Uの実像」 (プロレス激活字シリーズ vol.2)
- 作者: 波々伯部哲也
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2016/03/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本をほしい物リストに入れていた理由は、もちろん自分がプロレスファンだからなのですが、プロレス史に残るUWFの3文字が話題になるころ、まだ10代で初々しくて純粋でキラキラした目でプロレスを見ていて、物事の裏側を見ることも信じることもなくて、リング上で行われていることにしか興味がありませんでした。
それからおっさんになって、ちょっとずつプロレスの見方を変えながらファンを続けてきて、UWFとは何だったのか?リングの周りや裏側で何が起こっていたのか、そんなことが知りたくてチョイスしていました。
プレゼントを贈ってくださった読者、どこのどなたかはわかりませんが、本当にありがとうございます!
というわけで、今回は本の紹介と感想を書いてみます。
簡単な説明
新日本プロレスのゴタゴタ(アントン・ハイセルに関与するクーデター)の余波によって生まれたUWF。プロレスファンに新しいプロレスの形を見せたかと思ったら、大人の事情で新日本プロレスにUターンをして、再び飛び出たかと思ったら、今度は分裂してファンに強烈な印象を残していきました。
そしてそれを追いかけたのは、プロレス情報誌としては唯一大阪を拠点として、異彩を放っていた週刊ファイト。当時UWFを取材した週刊ファイトの編集者が、その当時の記憶を元に書かれたのがこの本で、UWFが出来るまでの裏側、お金の話とかレスラーと幹部の駆け引きが書かれています。
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週刊ファイト
この本の著者は、波々伯部哲也(ほおかべ・てつや)さん、元週刊ファイト副編集長の方です。大阪を拠点にプロレスのことを書いた週刊ファイトは、他の雑誌、週刊プロレスやゴングといった雑誌とは一線を画し、プロレスをファン目線で見るために団体やレスラーと距離を取り、ガチンコでやっていたプロレス雑誌(タブロイド版新聞の形態)です。
なぁ~んて知ったかぶって書いておりますが、この週刊ファイトを手に取った記憶がありません。というのも、この当時週刊ファイトやゴングといったプロレス情報誌は本屋さんで立ち読みできて、内容が良ければ購入するということが、貧乏学生にはちょうどよかったのですが、週刊ファイトは新聞っぽい作りですので、立ち読みができなくて手が出にくかったのです。
プロレスのことを24時間考えていたといわれた、I編集長と呼ばれた井上義啓さんと、著者である波々伯部さんが編集部に入るための面接の回想シーンが書かれているのですが、そこで書かれていることが、その当時のプロレスファンにとっては衝撃的な言葉です。
「内から見たプロレスはくだらない。派手でない。何一つセンセーショナルなことはなく、ドラマチックでもない。プロレスが好きならプロレス記者になろうなんてバカなことは考えないで趣味として置いておきなさい。そのほうが絶対、人生幸せですよ。もしプロレス記者になったら、3ヶ月もすればプロレスが嫌いになりますから」
例として、アントニオ猪木が痛風を患っていて本人もそれを認めているけれど、周りの人間(新間寿氏)に、本当のことを書かれるとイメージダウンになるから、「プロレスラーは血糖値が高いから糖尿病」として書いてほしいと言われる。でも、それが腹立たしいから内臓疾患として書く。
まだプロレスが真剣勝負と思われていた時代に、こういうことを知ってしまっても、仕事として追いかけて考えて書かなければいけない。それがプロレス記者の厳しさ、というかもどかしさというのでしょうかね。
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UWFの歴史
UWFができた理由だとか資金難でドタバタした話など、時系列に関してはウィキペディアなどを読めば詳しいことがわかります。(真実かどうかはさて置き…)
もちろん、この本でもそういったUWFの歴史については書かれていますが、それ以上に人間ドラマというか、その周りで起こっていたこと、特にマスコミとのやりとりについて書かれています。
本にはサラっと書かれていますが、それまでのプロレス団体、新日本と全日本の控え室で試合前のレスラーに取材する場合、レフェリーであるミスター高橋やジョー樋口が入ってくると、記者は出て行くのが暗黙のルールだったようです。しかし、UWFにはそれがなく、試合開始直前まで控え室にいることが許されていたそうです。イコール「何か打ち合わせをしているんじゃないの?」と思わせることがなく、記者に対しても新しいプロレスだと意識改革を行っていました。
前田日明や藤原嘉明、佐山聡に高田延彦に船木誠勝、もちろんそれ以外のレスラーの名前がバンバン出てきますが、記者からの目線で人間像が見え隠れするのが、この本の良さではないかと思われます。
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最後に
最近のプロレスファンにとっては「UWFって?」となりそうな3文字ですが、自分のように昔からプロレスを見ているファンからすると忘れることは出来ない3文字です。
この本には名前が出てきませんが、田村潔がリングスでヘンゾ・グレイシーとの試合の入場曲にUWFのテーマを使ったときの観客の歓声の大きさが、UWFの影響力の大きさを証明しています。
UWFはショー的な部分を排除し、ガチンコでやろうとした。
週刊ファイトは団体との癒着を嫌い、好きなことを書こうとした。
最終的には両方とも消滅してしまいましたが、その強烈なインパクトは今でも語り継がれています。「最近のプロレスは・・・」なんてことはいうつもりはありませんが、プロレスとはレスラーとレフェリーの3人だけでなく、その裏側に何人もの人が絡んでいることを知っている身としては、せめてケガをせずに、常人ではできないことを超人らしく、今後も見せてほしいと思います。
でわ、股!!
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