46歳で退職してブロガーになってみた

働けおっさんブロガー

26年勤めた仕事を無計画に辞めたおっさんの生き様を綴る

スポンサーリンク

被っていた猫を脱いだハナシ

「猫を被る」という言葉があるので、「被っていた猫を脱いだ」という表現を記事のタイトルにしてみたのですが、たぶん日本語として正しくないような気がしますので、先に謝罪しておきます。すまんニャー。

 

さて、4月から働き始めたスイミングスクールの仕事ですが、30年近くそれなりにやってきた経験もあるので、お客さんからクレームをもらうこともなく、雇用してくれた会社から釘を刺されることもなく、なんとか働き続けることができています。

もともと昔一緒に働いていた人から連絡を受け、人手不足を解消するために呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンしたのですが、肝心の呼んでくれた人が現場を去るというアクシデントが起き、自分の周りは知らない人だらけの現場となりました。

それでも48歳という年齢と、長年スイミングスクールのコーチをやってきて、転勤を繰り返していろいろな土地で働いてきたおかげで「どこにいっても、子どもは子ども」という認識があったので、子どもに水泳を教えるという基本的な仕事は十分こなせてきたと思います。

 

しかし、同じ現場で働くスタッフとの人間関係は、全くの別モノです。

相手が年下でも、あきらかにコーチとして経験が浅いと感じても、自分はあくまでも入ったばかりの新参者であり、謙虚に謙虚に・・・と働いてきたつもりです。

もちろん普通の会話はしますし、指導経歴などを聞かれて答えることはありますが、こちらから長年培ってきた水泳指導論を振りかざし、「その方法じゃダメでしょ」とか「その子の場合はこうしないと」など絶対に口を出さず、おとなしく猫を被っていました。

とはいっても、自分の担当するクラスでは、これまでの経験を生かして場を盛り上げ、子どもを楽しませた上にキッチリと泳ぎがうまくなるように、パワー全開で仕事をしていましたので、それが漏れて溢れて周りのスタッフの目を引くこともありましたが、それは不可抗力として仕方がなく、それでもやっぱり、猫を被っておくことに越したことはないと判断して、きっちり被ってきました。

 

ところが先日、被っていた猫を脱ぎました。

 

新しく働き始めた現場では、毎月スタッフミーティングがあり、基本参加自由で強制でもないのですが、たまたま自分が出勤する曜日に行われていることと、参加した分ちゃんとお金が付くので、参加することにしています。

その日もあくまでも参加する側で、特に何か発表することもないので気楽に参加していたのですが、当日発表された議題を見て、胸が「ドクン」と打つのを感じます。

本日の議題『指導方法についての意見交換』

例えば医者が「こういう症例に対しては、このような治療方法が・・・」みたいなことだったり、調理師だと「この食材を生かす調理方法は・・・」だったり、大工なら「この立派な木なら・・・」なんて感じの、つまり職人としてこれまで磨いてきた技術について話し合うことは、とても有意義なことで、自分はこういう話が大好きなのです。

 

それ以外の議題であれば、特に意見を言うこともなく、時間が経つのを待つばかりですが、この日の議題は自分の大好物です。

しかし、あくまでも自分は新参者で、まだ猫を被っている状態です。

自分が大好きな議題にヨダレが溢れんばかりに喜んでいる様を、出来るだけ顔には出さないようにしていましたが、それがミーティングの司会者にバレたのか、「じゃあ、この機会にニシオカさんに教えてもらいましょう」というひと言で、被っていた猫は完全に脱げました。

それは例えば「低年齢児に顔を浸けさせる方法」だったり、「けのびキックの足の力の抜かせ方」や、「背面浮きで腰を沈ませない方法」とか、あとは定番の「平泳ぎのあおり足のなおし方」など、どれも基本的なことではありますが、“シンプルなことほど教えるのが難しい”という原理がありますので、意外とコーチが手を焼く項目です。

自分が言うのも何ですが、それらについて、何の資料も見ず、立石に水のごとくペラペラとしゃべり続け、気が付けばその場は自分の独壇場となっていました。

 

これを「自慢」と言えばそれまでですが、これまで30年近くかけて培ってきた経験と知識を発表し、それを羨望の眼差しで見てくれるわけですから、その瞬間、いわゆる脳汁が溢れ出ていたとしても仕方がないでしょう。

そしてふと我に帰ってゲスな考えをしてみると、それだけペラペラと、しかも長年かけて学んできた知識と経験をいとも簡単に話すことは、お金に換算すると損している気もします。

ましてやもっと上手くやれば、そういったことをちゃんとまとめて資料にして、それらを元に水泳指導の講義をすれば、お金を稼ぐことも可能なんじゃないか?と考えることもできます。

しかし、最初は海の物とも山の物ともつかない自分を雇い入れ、それを使ってくれているという義理というか恩義というか、それくらいは返しておきたいので、もう少して話してみたいと思います。

 

もちろん、聞かれれば、ですけどね。

 

でわ、股!!

 

クリックしてもらえると助かります。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村