昔、選手クラスだけを専門に担当するおじいちゃんコーチと、一緒に仕事をしていた時期がありました。
そのおじいちゃんコーチの経歴は素晴らしく、現在開催中の日本選手権で優勝争いをするであろうベテラン選手も、元はおじいちゃんコーチが才能を見出して育てたそうです。
で、そのおじいちゃんコーチ曰く、いくらコーチが良くても、素質のない選手を引き上げるのには限界があり、逆にいくらコーチが悪くても、素質のある選手は勝手に速くなっていくそうです。
つまり、おじいちゃんコーチが言うには、水泳選手のコーチはギャンブルであり、コーチはいかに素質のある選手と巡りあえるか?みたいなことを言っていて、いつも「今の俺はついていない・・・」とボヤいていました。
で、その当時、飛ぶ鳥を落とす勢いで泳いでいた池江璃花子選手の事も、こう言い放っていました。
「あんなもん、誰が教えてもトップを取れるで」
「このコーチは宝くじに当たったようなもんやな」
素直に「凄いね~」といえばいいものを、やっぱり同じコーチとして悔しかったのでしょうね。
しかし、その後彼女は白血病で水泳選手生命どころではなく、人間としての生命すら危ぶまれる状況に陥ることになります。
ここでおじいちゃんコーチの言うように、「コーチはギャンブル」そして「宝くじに当たった」ならば、それは負けのハズレだったことになります。
もちろん、その後奇跡の大復活を果たし、昨日行われた女子100mバタフライで優勝し、個人種目ではなくメドレーリレーではありますが、オリンピックの出場権も手にしたわけですから、ホント、人生何がどうなるかわかりませんね。
というわけで、水泳コーチの仕事はクビ(まだ引きずっている・・・)になりましたが、やっぱり昔から携わってきた水泳競技は面白くて、ついつい観てしまっています。
でわ、股!!