46歳で退職してブロガーになってみた

働けおっさんブロガー

26年勤めた仕事を無計画に辞めたおっさんの生き様を綴る

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職人の仕事を若手にどうやって伝えるか?のハナシ

手前味噌というか自己満足というか、一般人からすると「え~?」と思われるかもしれませんが、長年やっているスイミングスクールのコーチの仕事を、自分では「職人の仕事」だと思っています。

といっても特別な資格がいるわけじゃないですし、特殊な修行が必要なわけでもなく、水泳経験のある学生がアルバイトとして働ける仕事ですから、やっぱり一般人からすると「え~?」と思われても仕方がないのですが、「それでも職人の仕事だ!」と思うには、いくつかの理由があります。

例えば、そもそも担当するクラスの子どもが10人として、なんやかんやで休む子どもがいて半分の5人になった場合、その人数に合わせたレッスンをする必要があります。

さらにはいつも担当する10人であれば、一人ひとりの性格や泳力を把握できていたとしても、振替えや体験で初めて参加する子どもがいることもあり、そうなると子どもの性格や泳力を素早く判断する能力がないと、その子どもたちに合ったレッスンをすることが出来ません。

つまり、その場その場で変わる状況を理解する「判断能力」と、それに対応できる「順応性」が必要で、いくら事前に準備してレッスンメニューや進級基準などを記憶していても、それらを紙もペンもない状況で頭の中だけで、しかも全て同時進行で再構築しないといけないのが、「職人の仕事だ!」と思っている理由です。

ま、「職人の仕事だ!」は言い過ぎたとしても、やっている人間(コーチ)が職人気質であることは間違いなく、そういう同業者の方は多いでしょう。たぶん。

 

さて、この職人気質溢れる仕事を、前述したような「水泳経験がある」という理由だけで学生がアルバイトとして行うことが、多々あります。

それに対し「そんな経験不足のヤツがやる仕事じゃねー!」と一刀両断するつもりは全くなく、アルバイトがいないと成り立たないことから大歓迎なのですが、ただ「水泳経験がある」だけで出来る仕事ではないことも事実です。

そこで、この仕事をどうやって若手に伝えるか?が重要であり、ベテランコーチの持つ「こう来たらこうして、ああ来たらどうして」といった判断基準や対応方法を何らかの形で伝えないといけないのですが、これがめちゃくちゃややこしくて、あとは職人気質ゆえのプライドみたいなものが邪魔をして、伝えるのに苦労している現場が多いようです。

 

自分の場合、以前は会社勤めでしたので、現場責任者としてその問題に取り組んでいましたが、今は雇われコーチの身なので、黙々と与えられた仕事をこなすだけで、その技術や経験を若手に伝える必要はありません。

さらに、先日、「このままではヤバイよ?」からの「もう知らんかんね!」と突き放す形で進言したばかりなので、いくら困っている現状を見たとしても、手も足も出すことは出来ません。

ただ、若手コーチが初めてレッスンをひとりで担当して、予定していない子どもが参加したことにより思い通りに行かなくて悔し涙を流しているのを見てしまうと、「何とかしてあげないと・・・」という気持ちと、「ホレミロ!」と思う気持ちになってしまいました。

どんな仕事でもそうでしょうが、やっぱり、自分が出来たとしても、それを経験のない人間に上手く伝えられるかは全くの別問題で、その点を「たぶん出来るでしょ」と甘く見ていると若手は育たないことを、早く気が付いてくれることを祈るばかりです。

がんばれー!

 

でわ、股!!