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はたしてスクールの経営上、選手コースが存在する意味はあるのか?

どうも、マスクド・ニシオカです。

早速ですが、このブログにコメントを頂きました。その内容についてはここで全文を載せることは避けますが、簡単に説明すると「スイミングスクールに選手クラスは必要なのでしょうか?」みたいな内容です。(違ったらごめんなさい)

そこで今回はそのコメントにお答えするような内容で書いてみたいと思います。

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スイミングスクールにおける選手クラスの存在意義

まず、選手クラス自体は儲かるクラスではありません。

多くのスイミングスクールでは選手クラスは毎日練習して月会費1万円くらいですが、他の一般のスクール生は週一回で月会費6,000円くらいではないでしょうか。月会費だけで考えれば選手クラスの方が高いですが、スイミングスクールを運営する側からすれば遥かに一般のスクール生の方が儲かります。

選手クラスに20名=20名×10,000円=200,000円
一般クラスに20名=20名×6回(月~土)×6,000円=720,000円

つまり選手クラスをするくらいなら、同じ時間に一般スクール生のクラスを設けたほうが儲かります。

ではなぜ、スイミングスクールに選手クラスがあるかというと、2つの理由が考えられます。

  • 水泳競技としての追求
  • 選手は子どもの受け皿 

 

水泳競技としての追求

スイミングスクールで教えていることは水泳であり、水泳という競技はタイムを競い合うもので、その頂点はオリンピックの金メダルを獲得することでしょう。水泳に携わっている人間が水泳を競技として追求していくのは本質的なことだと思います。

これはスイミングスクールによって考え方が違ってきますが、選手クラスに力を入れているところは、考え方として、車メーカーがレース参戦をしていると説明して理解していただけるでしょうか。

車メーカーがレースに参戦して、その賞金で車メーカーの運営が成り立つことはありえません。車メーカーは一般車の売上げで成り立つわけであって、レースに参戦し活躍することで技術が一般車にフィードバックされ、知名度が上がることで一般者がさらに売れるようになるという考え方です。

つまりスイミングスクールでいえば、一般スクール生の売上げで選手が活動しており、選手が活躍することで得た知識や経験が、一般スクール生にフィードバックされ、スイミングスクールの知名度が上がるということです。

フィードバックとは小さい子どもにスパルタで指導するわけではなく、選手クラスで活躍するためにはどういう指導をしていくべきか、長く活躍する選手を育成するためには、水泳を好きになってもらう必要がある、そのためにはどうすればいいのか、選手を基準にすることで、そういうことを考えるようになります。

知名度は選手クラスがあるからといって、それほど集客が出来るものではありません。昔はオリンピック出場者が出たスイミングスクールには、100名以上の新規入会者が増えたなんて話も耳にしたことがありますが、最近ではそこまで効果はないようです。

対外的には、水泳に興味のない方やこれから低年齢の子どもに水泳を習わせようとしている保護者に、「速い選手がいるスイミングスクール」だとアピールしても、それほど効果はないと判断している場合は、それほど知名度を上げようとしていないかもしれません。

強い選手がいて、それでスイミングスクールの中で「選手になってジュニアオリンピックに出るのが夢!」という子どもが現れれば、知名度を上げる宣伝という意味では成功しているのかもしれませんね。

 

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選手は子どもの受け皿

スイミングスクールとしては、一度入会してくれたお客さんにどれだけ長く通ってもらおうかと考えます。例えば小学1年生で入会した子どもが中学生になるまで在籍したら、在籍期間は6年とします。そうなると高校生3年生まで続けてくれれば、在籍期間が6年延びて12年となります。

スイミングスクールに選手クラスがない場合、この在籍期間が短くなることが考えられます。もし子どもにセンスがあり、早い段階、小学校の低学年の時点で速いことがわかると、受け入れる選手クラスがなければ、その子どもは将来性を考え他のスイミングスクールに移ってしまい、スイミングスクールとしてはマイナスです。

もし子どもにセンスがなくても、その保護者が我が子に選手をやらせたい場合、選手クラスがなければ、早めに見切りをつけて他のスイミングスクールへ移行していくでしょう。

もちろん子ども全員にセンスがあるわけもなく、全ての保護者が我が子を選手にしたいと思っていませんし、選手になった全ての子どもが全国大会に参加できるほど強くなるわけではありません。ただ、年齢が高くなるとタイムを上げるための練習がメインとなり、選手クラスがなくて、その手前の育成コースもなければ、子どもに合った練習が出来ないということになります。

長く続けてもらいたいスイミングスクール側の思惑と、長く続けたい子どもの思惑が合致することで、選手クラスが存在するといってもいいでしょう。

 

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スイミングスクール運営の実情など

そして強い選手を育てるには、それなりの時間とお金がかかります。スイミングスクールを運営する会社としては、知名度を上げることや一般のスクール生へのフィードバックを考えた上で、お金をかけたりコーチを増やしたりしていますが、選手クラスをやるからといってすぐに結果が出るわけではありませんので、コーチは結果が出せるまでは奉仕に近い状態で働いています。その部分を黒か白かと聞かれれば、完全に黒です。

それでもコーチが選手を育てるのは、それが水泳競技の頂点であり、まるでそれは「なぜ山に登るのか?そこに山があるから」みたいなものでしょうか。特に理由はなく、ただ速くて強い選手を育てたいという欲望だけです。

運営会社の考え方にもよりますが、選手に限らずコーチが働いた分だけ賃金をちゃんと支払っていると、経営を維持することは難しくなると思われます。これは一般スクール生がプールに溢れるほどいた数十年前であれば、そうではありませんが、最近ではそういったスイミングスクールも減っていると思います。

運営のバランスを取るために、高給である年配のスタッフを切り、薄給である若いスタッフを雇うことを進めているスイミングスクール運営会社もありますが、この辺は生き残るために仕方がないことかもしれません。

 

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最後に

こうやって書いてきましたが自分は選手クラスは得意ではなく、チビッ子を教えるのが好きでした。選手クラスはどうしてもピリピリとしたムードが多く、チビッ子とノンビリしているほうが楽しかったので、そちらを追求していました。

選手がベストタイムを出すのも、子どもが始めて泳げるようになるのも、自分には同じことだと思っていましたので、コーチとしては自信を持ってやってきました。

今回コメントを頂きました、「平泳ぎがうまくなりたいさま」のご希望にそえたかどうかわかりませんが、コメントを読んで感じ取ったことを書かせて頂きました。もし的外れな内容でしたら、再度コメントいただければ、また書かせていただきます。

そして久しぶりに水泳のネタを書くチャンスをいただけたことを感謝します。ありがとうございます。

 

でわ、股!!

 

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