どうも、マスクド・ニシオカです。
先日「セッション」という映画を観ました。
かなり有名な作品ですからご存知の方も多いでしょうが、簡単なあらすじを書いておきます。
<あらすじ>
名門音楽学校に入学した一流ジャズドラマーを目指す青年が、ひょんなことから鬼教師の目に留まり、学校内でトップバンドの一員となります。鬼教師からの罵詈雑言と暴力に耐えながら、青年は特訓に必死に喰らいついて行きますが、ついに鬼教師の狂った要求に耐えられなくなり・・・
正直、ジャズに詳しいわけでもないので、音楽的なことはサッパリわかりませんでしたが、一流ジャズドラマーを目指す青年と、それを指導する鬼教師の師弟関係が、あんまりにもえげつないというか、20年会社勤めをしてきた自分としては、映画を観た感想として「アンタ!それ騙されてるで!」と思わずにいられませんでした。
ここから先はネタバレ全開ですので、純粋に作品を楽しみたい方は、ご注意ください。
鬼教師は平気で嘘をつく
とにかくこの鬼教師は平気で嘘をつきます。
青年が始めてやってきたときも、最初はにこやかに温かい言葉で向かい入れたのに、実際に演奏が始まったら「テンポが遅い!」だの「テンポが速い!」と怒鳴りながらビンタして、両親のことまで罵られ、あげくにメンバーの前で「悔しいです!」と言わされて、青年は涙を流しながらうつむくしかありません。
他にも、鬼教官の教え子だった生徒が自動車事故で亡くなったとメンバーの前で涙を流して、それを見た青年は「ガンバロウ!」と思うのですが、実はこれが大嘘で本当は鬼教官のせいで自殺した(と思われる)のが後でわかったりして、また落とされます。
最終的には、青年がこれまでの仕打ちを告白することで鬼教師はクビになるのですが、ふとしたきっかけで再会した鬼教師はこれまでの仕打ちを懺悔し、有能であるからこそ厳しく接したと釈明します。その言葉に感銘を受けた青年は再びドラムを叩くことになるのですが、実は鬼教師は青年が密告したことを知っていて、わざと予定と違う曲を演奏させて失敗させて、観客の前で大恥をかかせて落とします。
もちろん鬼教師の行動の理由は理解していますし、それ以前に映画の中での作られた物語なのですが、どうにも青年に感情移入してしまい、「アンタ!それ騙されてるで!」と思っちゃうのです。
ラストだって・・・
観客の前で大恥をかかされた青年は、「また騙された!」となって一旦は舞台を降りますが、ふと何かを思いついて舞台に戻ります。戻ってきた青年に鬼教師は驚きますが、何事もなかったかのように観客に向かって「次はスローな曲を・・・」と説明し始めまう。すると青年がそれを逆手にとって、勝手にアップテンポな曲をソロで叩き始めます。
青年の勝手な行動に、鬼教師もバンドメンバーもあっけに取られますが、その卓越したテクニックと鬼気迫る迫力に押され、メンバーは青年の指示に合わせて演奏を始め、鬼教師は「仕方なく」といった感じで指揮を振り始めます。
しかし青年のドラムがあまりにも素晴らしく、だんだんと鬼教師が魅了され始め、ついには青年の激しいプレイでシンバル(?)が倒れそうになったのを支え、いつの間にか恍惚した表情となっています。
で、ここで映画はスパッ!と幕を閉じます。
たぶん散々鬼教師に苦しめられてきた青年が、ついに目覚めて才能を開花させ、自分を苦しめてきた鬼教師を恍惚とさせたことで復讐を果たした!と物語を閉じているのでしょうが、これだって「どうせ、またあとで騙されるんでしょ!?」とか思ってしまうのです。
どうしてこうなった?
あああああぁぁぁぁ!どうして自分はこんなに素直になれない、人を信じられない人間になってしまったのだぁぁぁ!
思い当たるのは、20年勤めてきた会社を見続けてきた結果、会社の偉い人が鬼教師で社員が青年で、数々の社員が騙されてきたのを見てきたからかもしれません。
もちろん騙すといっても会社内のことなので、犯罪にも裁判にもなりませんが、偉い人が簡単に社員を持ち上げて落とすのを傍から見ていると、「なるほど、持ち上げられたら落とされるのだな」と学んでしまいました。
でも会社で偉くなるためには、持ち上げられて落とされないようにするレースで勝ち上がる(生き残る?)必要があります。
自分は会社にいるときからそのレースには不参加表明を堂々としていましたが、元同僚たちはまだそのレースに参加していて、落とされないように、ときには他の誰かを犠牲にしてがんばっているようです。
最後に
なんだかんだと書いてきましたが、映画「セッション」自体は面白い作品です。
2018年3月15日までですが、今ならGAYO!で無料で観れますので、よかったらどうぞ。
でわ、股!!
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