46歳で退職してブロガーになってみた

働けおっさんブロガー

26年勤めた仕事を無計画に辞めたおっさんの生き様を綴る

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コースロープを引っ張る子どもとベテランコーチのハナシ

どうも、マスクド・ニシオカです。

長年スイミングスクールのコーチをやっていると、子どもに注意することが腐るほどあります。

  • プールサイドを走っちゃダメ!
  • プールに飛び込んだらダメ!
  • 台の下に潜っちゃダメ!
  • 帽子を顔まで被ってマスクみたいにしちゃダメ!

もちろん子どもの安全を守るためにやっていることで、コーチとしては、そうさせないようにする工夫が必要なのですが、それでもこの注意が廃絶されることはありません。

 

アナタもやりませんでした?

子どもって、なぜだかわかりませんが、広いところに出ると走りたくなります。普段高いところから飛んだらケガをしますが、プールならケガをしません。台の下がどうなっているか見てみたいし、帽子を顔に被ってマスクみたいにして、他の子どものウケを狙いたくなります。

今現在、コーチになって偉そうにしていますが、自分が子どものころはメチャクチャやっていました。プールサイドを走って飛び込んで、台の下をくぐり抜けて、帽子を顔まで被ってマスクにし過ぎて、伸びて破れて穴から髪の毛がピョーン!まで。さらにはここに書けないようなことまでやりまくっていましたが・・・

アナタはどうでしたか?やってませんでした?

 

コーチになったら立場が変わる

つい十数年前まで自分がやっていたくせに、コーチになったら偉そうに注意する。矛盾していますが立場上仕方がありません。子どもを注意することに感情を持ち込むことは良くないことですが、まだ若かったということもあり、昔はビシバシ注意していました。

コーチとしても人間としても経験が浅かったと、先に言い訳をしておきますが、子どもを守ることがコーチの使命であり、子どもに注意することは必要なことだと思っていた自分は、ときに厳しく一方的に子どもに詰め寄ったこともありました。

 

 

コースロープを引っ張ってピュー!

子どもに注意する内容は、前述した安全面に関することもありますが、他にもいろいろありまして、その中でもレッスン中、特にビート板を持ってキック(バタ足)をしているときと背泳ぎをしているとき、コースロープを持ってピュー!って進むやつがあります。中にはコースロープではなく、前の子どもを抜かしたから足をつかんで引っ張る子どもまでいます。

もちろんこれらを見つけたら、ただじゃあ済ませません。コリャー!と大声を張り上げて注意しますが、子どもが後ろ向きだと聞こえないこともあるので、ダッシュで泳いで追いかけてしっかり目を見て「それダメ!」と伝えます。

若い頃はね。

 

おっさんコーチになって、ふと思う

コースロープを持ってピュー!は、子どもが楽をしてサボっているわけですから注意するべき対象なのですが、自分が子どものころにやっていたことや、自分がコーチとして経験を積み、若いコーチが同じことを注意する姿を見ていて、ふと思うようになりました。

「なぜ子どもはロープを引っ張るのだろう?」

普通に考えれば「楽をして進みたい」という理由になるのですが、そうなると、「同じことをしない子どもはなぜしないのだろう?」と考えるようになりました。

確かにコースロープを引っ張れば楽はできるかもしれませんが、同時にコーチに見つかれば注意されるリスクもありますし、子どもがそれをわかっていないはずはありません。ということは、コーチに注意されるかもしれないというリスクを背負いながらも、コースロープを持っている、なぜそこまでして?と考えるようになりました。

 

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持つ子どもと持たない子ども

常習犯といえば聞こえは悪いですが、コースロープを持つ子どもはたいてい決まっています。逆に持たない子どもは持ちません。育ちが良い。親の教育が出来ている。などといってしまえばそれまでなのですが、それだけではないような気がします。

コースロープを持つ子どもと持たない子どもがいる理由については、なかなか答えを出すことができませんが、水泳を競技として捉えた場合、果たして持つ子どもは本当にダメなのか?という考えに至ります。

もちろんサボっている時点でダメなことなのですが、それ以前に、工夫をしようとか、楽をしようとする気持ちの部分をどう考えるか?ということになります。

 

コースロープを持ってピュー!=ダメなのか?

水泳は競技の面も持っていますからルールがあって、それを違反すればその時点で負けます。スイミングスクールでもそれらを学ばせるために、例え泳げていても、進級テストのときにコースロープを持ってピュー!なんてすれば、不合格となります。(場合にもよりますが…)

もちろんそういった面ではダメなことなのですが、持つ子どもと持たない子どもがいることを考えた場合、持つ子どもは「速くなりたい!」とか「負けたくない!」というようなハートの持ち主ではないか?と思うようになったのです。

逆に持たない子どもが「遅くてもよい」「勝てなくてもよい」と思っているかはわかりませんが、少なくともレッスン中にコーチに注意されるリスクを犯してまで、コースロープを持ってピュー!をするということは、何かそういった想いがあるのでは?と思うのです。

 

ちゃんと泳がせることはできるけれど・・・

コーチの仕事を長くやってきて、ある程度ではありますが、ちゃんとした泳ぎ方を教えることは、時間はかかりますがそれほど難しいことではありません。それよりも闘争心を子どもに植え付けることは大変難しいことです。

コースロープを持ってピュー!=闘争心とするのは乱暴な考え方ですが、別にどうでもいい…と思っている子どもは持たないとすると、持つ子どもの方が速くなりたいと思っている可能性が高いのでは?と思うのです。

 

コーチが子どもをダメにしている?

コースロープを持ってピュー!をする子どもに「それはダメなこと!」と注意してやめさせて闘争心の火を消しておいて、テストでタイムを計るときに「もっと速く!」というのは、なんだかなぁ~と思うのです。

もちろんルールを守った上で勝つことが大事で、ダメなことはダメ!なのですが、そういったことを生かすことができないコーチが、子どもに何を教えるのだろう?なんて思うのです。

もしかするとコーチが子どもをダメにしていて、それにコーチが気が付いていないだけなのかもしれませんね。

 

最後に

実はある程度速くなると、コースロープを持ってピュー!をしても、それほど楽ではありませんし、それほど速くなりません。なので、これをするのはそのレベルに至っていない一般の子どもクラスに多く見られる光景なのですが、そのレベルを担当するコーチが、そこまで考えていなくて、若いときの自分のように、単純にコースロープを持ってピュー!=悪と思っていて、ただ単に子どもに注意してやめさせようとします。

もちろん、コースロープを持つことを助長するわけではありませんし、自分も見つけたら注意をしてやめさせます。ただし、それを「闘争心があるかも?」と捉えてより速くなるアドバイスするのと、「ダメなやつ・・・」と放置するのでは大きく違ってきます。

 

というようなことを、ベテランコーチの自分は考えております。もしかすると、子どもをスイミングスクールに通わせている保護者からすると、「なんでコーチは注意しないの!?」と憤りを感じておられるかもしれませんが、これを読んで少しでも理解して頂ければと思います。

あと、本当にどうでも良いことですが、昔は「コース」という表現だったのが、いまは「レーン」に変わっていて、試合のときも「第3のレーン」みたいなアナウンスになっています。ということはコースロープじゃなくて、レーンロープ???でも、それは聞いたことがないんですよねぇ~。以上、蛇足なり。

 

でわ、股!!

 

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