
なんか無性に書きたくなったので、書きます。
といっても専門的な話ではなく、逆に一般の方(特にお子さんをスイミングに通わせている方)の方が理解してもらえて、その筋(スイミング関係者)の方には「?」かもしれませんが、よかったら最後までお付き合いください。
最初に、状況を設定します。
子どもの人数は、10人。
レッスン時間は、50分。
コーチの人数は、1人。
子どもの年齢や泳力については、何でもアリとします。
まず、コーチひとりが子どもひとりに補助(触って教えること)や説明をする時間は、5分となります。
50(分)÷10(人)=5(分)
もちろん、あくまでもトータルの数字で、子ども全体に説明することで数字は変わってきますが、補助の場合は1対1になるので、そういう意味では5分であり、この数字はコーチの能力とは関係ありません。
となると、当たり前ですが、コーチが指導していない時間も出てきます。
50(分)-5(分)=45(分)
もちろん「指導していない」だけで、ある程度泳げる子どもは泳いでいるし、泳げない子どもはおもちゃなどで遊んでいて、「何もしていない」わけではありませんが、コーチが指導しているかしていないか?となると、「指導していない時間」となります。
ここで、コーチの指導能力の最大値を10とします。
もちろん経験などによる違いはありますが、便宜上、最大値は10とします。
となると、コーチひとりが子どもひとりに指導した場合、以下のようになります。
5(分)×10(指導)=50(指導)
さらに「指導していない時間」があるので、子どもが何かをやっているとして、1として計算します。
50(指導)+(45(分)×1(指導))=95(指導)
ここまでの計算をまとめるとこんな感じです。
5(分)×10(指導)+45(分)×1(指導)=95(指導)
この95という数字をベースとします。
異論はあるでしょうが、ベースが崩れると話がややこしくなるので、とりあえず95とさせてください。
で、同じ条件で、自分が「上手い!」と思うコーチの指導を数値化すると、このようになります。
5(分)×9(指導)+45(分)×2(指導)=135(指導)
ちなみに先程の計算式がコチラです。
5(分)×10(指導)+45(分)×1(指導)=95(指導)
トータルだけでいうと、135の方が上となります。
つまり、「圧倒的に短い」1対1の補助や説明の時間の指導を“あえて”減らしてもいいから、「圧倒的に長い」指導していない時間の子どもへの対応を行い、トータルでの指導を増やせる(もしくは増やそうとしている)コーチが、自分の思う指導の上手いコーチです。
では、具体的に「指導していない時間の子どもへの対応」とは、例えば1対1で子どもに補助しているとき、手は子どもを触れていても目は他の子どもを見ていて、例えば遊んでいる子どもに声をかけたり、頑張っている子どもを褒めたり、さらには1対1になる前に出来ていない箇所を事前に見抜いておくなど、出来ることはたくさんあります。
ここで関係者に「目を離すとは何事か!」とか「相手の目を見て言うべし!」みたいなことを言われるかもしれませんが、料理人は具材を切りながら鍋の様子を見るし、バスケット選手はドリブルしながら周りを見るし、手と目が同時に別のことをして、どちらかが子どもの安全を確保していれば、問題ないはずです。
もっといえば、五感全てを使う。手は子どもを触りつつ(触感)、目は他の子どもを見て(視覚)、耳はさらに他の子どもの声を聞き(聴覚)、鼻はゲロやウンコの臭いを嗅ぎ(臭覚)、舌は・・・これだけはまだ使ったことがないですが、そうすることが、指導していない時間を1から2に引き上げるのです。
で、最初に「一般の方の方がわかるかも?」と書いたのは、子どもを通わせたことのある方ならわかると思うのですが、自身の子どもだけ見ていると、圧倒的に「コーチが何もしていない時間」が長いことが、よくわかるんです。
だって、レッスン時間が50分もあるのに、子どもが10人がいたら(トータル)5分しか教えてもらえず、それ以外の時間はコーチが見ておらず、コーチが見てないことをよいことに遊んでいて、その時コーチを見たら他の子どもを教えるのに必死で、遊んでいることに気付いていない・・・(もしくは気づいていても何もできない)と見えるのです。
しかし別のコーチは違っていて、例えば自身の子どもが鼻水を垂らしていて、それを他の子どもを指導していても気がついて、周りの子どもを見ながらサッと処理してくれたら?、もっと言えば、ずっと見ている親も気づいていないことを気づいたら?そういうことなのです。
なぜそうなるのか?となると、コーチってどうしても「指導の上手さ=1対1での補助の上手さ」と考える方が多く(というか最初にそう教わるのでそうなっちゃうのですが・・・)、どう考えても「指導していない時間」の方が長いのに、目の前にいる子どもに必死になり、どんどん周りが見えなくなります。
もっと酷いことを言わせてもらうと、下手なコーチはこのことが理解できず、1対1の時間に集中したいから、指導していない時間は子どもに何もさせず、つまり以下のような式で指導をしようとするのです。
5(分)×10(指導)+45(分)×0(指導)=50(指導)
さすがに「0」は無いと思われるかもしれませんが、例えばチビッ子クラスなどで、じっと座っていられない子どもに「じっとしてなさい!」とか怒るコーチいません?、そうなると「0」以下のマイナスになるんですけど、そこに気付かないのです。
さらに酷くなると、これに気付かいないコーチは「子どもの人数が多いからだ!」とか言い出すのですが、こうなるとマンツーマンしかありません。
50(分)÷1(人)=50(分)
50(分)×10(指導)=500(指導)
そりゃあベースの95より遥かに高い数字を出せますが、民間企業で人数が減るのは死活問題であり、それに合わせてバイト代(給料)も10分の1にしてもいいのなら?って感じです。
というわけで長々と書きましたが、簡単に言えば「目配り」と「気配り」であり、自分もまだまだ修行中で「そのことはわかっている」程度ですが、あまりにもそれに気づいていないコーチが多いので、偉そうに書かせてもらいました。
でわ、股!!