長年、スイミングスクールでコーチの仕事をしています。
スイミングスクールに限らずでしょうが、多くの生徒を複数のコーチでレッスンする場合、年齢ではなく能力(スイミングでいえば泳力)で、クラス分けをします。
といっても年齢と泳力はリンクしていることがほとんどで、ざっくり分けると「チビッ子=泳げない又はちょっと泳げる」「低学年=クロールを目指す」「高学年=背泳ぎ平泳ぎバタフライ」みたいな感じになります。
が、たまに、年齢と泳力の合わない子どもがやってきます。
高学年の木下くん(仮名)が、自分の担当するチビッ子クラスにやってきたのは2か月ほど前。
明らかに周りに比べて身長も年齢も高く、チビッ子クラスでは違和感があるのですが、どうやら過去に浮くことに恐怖を感じたみたいで、泳ごうとすると体が拒否して固まり、泳力としては「泳げない」になるので、チビッ子クラスにやってきました。
こういったケースの場合、スクール側としては当然のクラス分けなのですが、本人や保護者には「周りに同学年がいない・・・」という不安があり、周りの生徒や保護者の中には「こんな大きい子がなぜ?」と思う方もいるので、コーチとしてはかなり気を使います。
で、2か月経って、木下くん(仮名)の努力もあり、ついに恐怖を克服して泳げるようになり、コーチとしての喜びもひとしおです。
となると、次はチビッ子クラスを卒業して、同学年のいるクラスに行くことが目標となるのですが、それはそれで困ったことがありまして・・・
というのは、木下くん(仮名)はとても優しくて、周りのチビッ子が揉めていると仲介してくれたり、話を聞いていないチビッ子の肩をトントンしてくれたり、高学年だから出来る役割を“勝手に”してくれているのです。
そんな様子を見て、レッスン後に「サブコーチやな!」と命名したことで木下くん(仮名)の仕事ぶりは加速して、ついにこんなことまで言うようになりました。
(他のチビッ子と揉めて怒っているチビッ子に)「あとで話聞くから」
というわけで、指導者の自分としては木下くん(仮名)の成長は嬉しいのですが、メインコーチの自分としては優秀なサブコーチがいなくなるのは困るので、ちょっと複雑な気持ちです。
でわ、股!!