元プロレスラーのサブゥーさん(以下、敬称略)が亡くなられました。
最近のプロレスファンからすれば「誰?」でしょうが、かつて全日本プロレスと新日本プロレス以外は団体として認められず、それ以外は全てインディーと呼ばれていた時代に現れた、それはそれは凄いレスラーなのです。
じゃあ、サブゥーの何が凄いのか?といえば、とにかくわかりやすいのです。
例えば、リングで寝ている相手に脚立を載せて、そこに向けてパイプ椅子に座る形でギロチンドロップで飛んでいくとか、場外に置いたテーブルに相手を寝かせて、そこに向けて飛んでいくとか、さらにいえば避けられて自爆してテーブルが真っ二つとか、とにかく見ていて「痛!」となるわかりやすさが、サブゥーの凄さなのです。
https://youtu.be/wGTZ3auiKtE?si=bzwQ8UL1jdHf4cqJ&t=190
(かなりショッキングな映像が多いので、ご注意ください)
そもそもプロレスとは、鍛え上げた人間が技をかけ合い殴り合い、どちらがギブアップするか3カウントを奪われるか立っていられるか、そんな戦いを見せる物です。
しかし、観客の目が慣れたか、プロレスラーの魅せる技術が衰えたか、どちらにしても「八百長だ!」「演技だ!」「ショーだ!」と言われるようになり、いくら鍛えた肉体同士がぶつかっても、その凄さは伝わりにくくなりました。
もっと簡単にいえば、アントニオ猪木の延髄切りに、ジャイアント馬場の十六文キックに、「ん?」と思い始めたのです。
そんな中、脚立や椅子を巧みに使いこなし、八百長だ演技だと言っていた人に、とてもわかりやすく痛みを、そしてプロレスラーの凄さをわからせたのです。
そして極めつけは、そのプロ根性。
例えば試合中に脚立や椅子にぶつかるのは当たり前で、テーブルが真っ二つになることが多いのですが、それでもたまにテーブルが真っ二つにならないことがあり、それに納得しないサブゥーは、試合は終わっているのにテーブルにダイブして真っ二つにするという、まさに「自虐パフォーマンス」を行っていました。
何で読んだか忘れましたが、そんな自虐パフォーマンスは、思いつきとかその場しのぎではなく、ちゃんとマットなどを使って繰り返して練習して、ちゃんと体を鍛えて脚立や椅子やテーブルに負けない体を作って、いかにお客さんに喜んでもらえるか?考えた上での行動で、まさにプロ中のプロなのです。
ま、理解してもらえるかどうかはわかりませんが。
自分はスイミングスクールのコーチで、プロレスラーではありませんが、そのプロ根性という部分は学ぶものがあり、例えアルバイトで週3回であっても、目の前のお客さんを楽しませるために、今後も頑張ります。
というわけで、サブゥーさん、ゆっくりお休みください。
でわ、また。